外海の「遠藤周作文学館」の展示が、今年の5月19日から、2年間、遠藤さんと長崎になります。もともと文学館は、遠藤さんの「切支丹の里」「沈黙」「女の一生・一部、二部」をテーマに建てられた。しかし年月を経て、同じ展示でなく、遠藤さんの様々なジャンルで取り上げられ、毎回、多くの入館者を得てきた。この度は、「長崎」ということで、また元に戻った感がある。期待して訪問してよいだろう。私も近々見に行きたい。「女の一生・第二部」で、遠藤さんとは関係があるので、興味がある。遠藤さんは長崎を愛した。文学館から、展示説明の冊子(40ページ)が送られてきたが、コルベ神父の写真や、私の短い原稿も載っている。遠藤先生は私に言った。「小崎サン、あなたはボクに、修道士になる前、原爆で、助けを求める人の手を振り払って逃げた話をしてくれたでしょう。アウシュビッツとよく似た世界の中におられたわけだ。ああいう時、パンを誰も与えることができない。有名なフランクの『夜と霧』に、ごく少数であるが、寝ている病人の枕元に、今日の分のパンを置いていく人たちがあった、とわずか2,3行に書いてある。そういう、ごく少数の任が人間の尊厳を救ってくれた。人間はまだ信じるに足りると思わせてくれた。その頂点に、その結集したものの中に、コルベ神父が居られる感じがしたわけです」
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