2017年7月18日火曜日

女性は語る。親戚に、司祭が続々。篤信の島に育って

ホームの入居者たちは、自分の過去を語ったり、家族を話すことは殆どない。三度の食事の前に、自然に、食堂の入口に皆さんが集るのだが、待合の長椅子に座っても、言葉は少ない。ところが最近、トマの隣に、同じ女性が座るようになり、少しづつ話しかけるようになる。
★女性は、下山ハルミさん。96歳になる。話を聞いて、びっくり。このホームに、20年、生活している。「まあ、そんなに、長ーがく、ここに居るのですか」と、ただ、ただ感心するしかない。
★生まれは、上五島。カトリック教会が多い島。ハルミさんの話を聞いていくうちに、親戚に次々と「神父さまの名前」が出てきたことが、興味をひかれた。殆ど知っている神父さま達であった。当時は、村に子供が多かった。優秀な子供から神学校へ送られた。家族から「司祭」を出すのは、誇りでもあった。
★ハルミさんの「父親」は、鯛の浦の増太郎。母は、頭が島からきたカオ。父の妹に、タケがいる。タケの子供が、初田徳一神父になる。聖母の騎士の初期の司祭である。聖フランシスコ園の園長も長年勤めた。入江さんや、大曾神父さまも勿論知っている。
★更に父の妹に、イトがいる。イトの子供が、中田武次郎神父。また彫刻家の中田秀和がいる。2人とも、トマもよく知っている。中田先生は彫刻家で、大浦天主堂の庭にある「信徒発見のレリーフ」や、聖母の騎士・ルルドへ到る「ロザリオの玄義」のレリーフなどを制作した。著名な人物だった。鯛の浦のルルドも造っている。信仰の厚い人だった。
★父の妹、タケの子供の徳一神父は次男で、長男は正一(まさいち)。正一は、大曾のチマと結婚して、6人の兄弟が出来る。トマは神学生の頃、夏休みは、このお宅で過ごした。家が3軒並んでいて、端の家が大曾神父さまの家だった。
★子供の枝美さんは、同じ上五島の浜串に結婚する。子供に、竹内昭彦神父(管区長)がいる。
★1人の女性の言葉から、こんなに沢山の司祭の名前が出てくるのが不思議な気がした。父の増太郎の妻は頭が島の出身だが、頭が島から熊谷神父が出ている。親戚になる。
★下山ハルミさんの話を聞くと、親戚のつながりや、幼い頃からの信心が心の奥に根深く染み込んでいて、「もう、これしか、生きる道は、ない」の信念にあふれて、ホームに居ても日々の信心の行動につながっているのを感じる。少々の不具合でも、ミサ、ロザリオには参加する。見事な信心は尊いとトマは思っている。
『トマさんのことば』。お例文③東京都、好子さん。「ここ最近、身のまわりに苦しい事がたくさんありますが、この本を開いてなぐさめられる事が多く救われております。ありがとうございました。枕元に置くのにちょうど良いサイズでとても気に入っております。そして、この本を手に取って開いてみると、小崎さんの八十九年の人生を垣間見ることが出来るような気が致します。たくさんの苦しみを味わっていらっしゃるのにいつも優しく、あたたかな笑顔を向けて下さるのは、やはり信仰があるからなのでしょうか」