2019年4月17日水曜日

スズメが、ジリ、ジリ、寄っていく。恋がかなわぬ春だった

廊下の窓で、屋上にいるスズメを2羽見つけた。春になったな、の感じがする。スズメも活発になった。この辺に、巣を作っている。ホームの庭には、芝生もあるので、スズメがよく目につく。ツバメも来て、巣を作るが、スズメから壊された。2羽のスズメを見ると、左のスズメは、キョロ、キョロしている。右は、ジーッとして動かない。しばらく見ていると、左のスズメがジリ、ジリと、右の方へ寄ってきた。
★これはオモシロクなるぞ。期待する。「寄れ、寄れ」と応援もする。ああ、やっぱり案の定、にじり寄ってきた。いい仲になりそうだ。カップルになるか。期待も湧いてきた。がんばれ、応援もしたくなる。右のスズメは動かない。体格は、こちらの方が大きく見える。どちらが、オスか、メスか、分からない。春だぞ。チャンスは逃すなよ。だが、ニンゲンでも、好みがあるからな。さあ、うまく行くかな。
★「ああ、ついに、寄ってきた」。うまく行きそうだ。よし、いいぞ。こちらの観察の目は興味深々。こんなに接近したのは、まずは成功だ。「愛して、いるよ」。ピイ、ピイと、伝えているだろう。うまく、やれよ。ここは老人ホームだ。遠慮することはない。ニンゲンだって、老いても、愛する心は残るさ。ジーッと、ソーッと、眺めるボクも楽しい。カップル成立か。さあ、これから、どうなる?
★「アッ、あれ、なんだ?」。寄ってきたスズメが時間をかけて、ソバまでノックしたのに、ふとっちょのスズメは反応を示さない。「おい、それで、いいのか」。スズメの社会も厳しいんだな。成るようには、成らん。寄ってきたスズメが背をそらせた。「ああ、ダメか、残念、無念」。右のスズメは、ガンとして動かない。「恋に破れたのか、振ったのか」。オレには分からん。どっちが、オスか、メスか、それも分からん。一瞬、1羽が飛んだ。同時に、もう1羽も居なくなった。なにやら、せつない、気持ちが、残った。

1 件のコメント:

  1. トマさーん スズメさんを見てたんですね〜
    トマさん 面白くて 笑いながら読んだよ��ここなより

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