2019年4月10日水曜日

写真集「長崎の痕」。被爆者は、それでも生きて、価値がある

分厚く、重たい「写真集」が送られてきた。「長崎の痕(きずあと)」。著者は、大石芳野さん。写真集は、縦21.5cm、横19cm。287ページ。定価4.200円(税別)。長崎・原爆の被爆者たち、122人の人物写真が、各ページに載せられている。全部が白黒写真で、短い説明文があり、被爆者たちの被爆の実態と、その後の生き抜いた苦難の人生が、その表情や顔に表れている。本の重さと共に、心も重い本だ。藤原書店の発行。
★私が知っている被爆者も、何人も載っていた。ページを開くごとに、こんなにも被爆者は多いのか、が実感だった。1ページに1人。ある人は、2、3ページに及ぶ写真もあった。
★小崎登明は、「キリシタンの祈り」の項目、81ページに、湯江教会の中で、修道服を着た姿で、祈祷台に腰掛て、「教会の祈り」の本を手にして、チラッと、カメラマンを見た厳しい表情で写っていた。普段とは違った雰囲気を感じた。
★2016年9月だった。長崎市の城臺さん(女性)と山川さんが写真家の大石芳野さん(中央)を連れて、ホームにきた。城臺さん、山川さんは、長崎原爆資料館の「平和推進協会」での「語り部」のメンバーだった。お互いに、よく知っている。私のことを思い出されたのであろう。被爆者を撮影している大石さんを案内して来てくれた。ありがたい、続くご縁を感じた。もちろん城臺さんも山川さんも「写真集」に被爆者として載っている。原爆資料館で、修学旅行生たちに、原爆の体験の語り部を務めたことが懐かしい。私は母の原爆死50回忌に当たり、語り部となり、約10年勤めた。あの頃は本当によく頑張った。気合の入った、語る力のある時期でもあった。
★写真を撮ってくれた大石芳野さんは、著書の略歴によると、土門拳賞、紫綬褒章などを受賞。コソボや、アフガニスタン、カンボジアなど、内乱や戦争、社会の混乱に巻き込まれた人々にカメラを向けて来た。他の著書も多い。
★「写真集」の私の写真の下には、被爆の状況を記して、最後に次の言葉で、まとめている。「原子野の惨状で痛感した平和を蝕む根っ子にあるものは『憎しみを許すという心を持とうとしないことだ』」
★17歳の出来事。爆破、悲惨、むごさ、廃墟、よく覚えている。2度と、原爆は、もう、コリ、ゴリだね。ああ、ゆう、ひさんな、じょうきょうは、みたくない。こころに、ふかい、きずを、のこしている。

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