2018年11月8日木曜日

女子高校生たちへの語り。お礼を求めない愛。命の大切さ

「皆さん、ようこそ長崎へ。最初に聖母の騎士修道院を訪ねて下さいまして、心から皆さんを歓迎します」
★神奈川県の女子高校生たちの修学旅行。200名の学生と、9名の先生方。この高校に、私がお話をするのは、28回目です。最初の学生の中には、大学を卒業して、教職免許を取って、母校に就職して、担任になり引率して来た先生も居られました。年期が入った好い高校生たちです。
★語り部は燃えました。若さを受けて、私も反応しました。今、足が弱くて、15分と立っては居れない。それが高校生たちに語りつつ、40分は立って、我を忘れて、安定していました。皆さんの目や表情をしっかりと見ながら、抑揚をつけ、間を置いて、若い心を惹き付けていく。喜びですよ。生き甲斐でもある。熱心に聞いてくれていた。よく分かった。
★この日の語りは、大きな絵も使いました。手助けは高原修道士さんでした。コルベ神父から命を助けられた男性「ガヨビニチェック」さんの涙も語りました。「受けた恩は、もう、その人には返せない。別の場所で、別の人たちに返していく」。皆さんも沢山の人の恩を受けながら、これまで育ってきた。それを忘れては、いけない。その心情を伝えたかった。それと命の大切さです。
★コルベ神父の生き方、死に方。厳しい強制収容所で、僅かなパンを若い人に与えて「助けた」。ナチの兵隊から、材木や煉瓦を運ばされ、倒れても、最後まで頑張った。「困難が来ても逃げなかった」。憎いナチの兵隊に対して、彼らにも温かい目で見つめ、「赦した」
★「助ける」「逃げない」「赦す」。この3本の「要(かなめ)」が「愛」なんです。そしてコルベ神父の愛は、「ガヨビニチェック」さんに優しい目を向けて、無言で「大丈夫だよ、安心しなさい」。コルベ神父の愛は「お礼を求めない愛」なのです。
★旅行の収穫は3つある。①本物を見る。鎖国や出島、原爆。教科書で習った出来事を、本物で確認し体感する。②地元の人たちと出会い。話を聞く。③自分が変わる。旅で学んだことで、自分の人生に何らかの影響を受ける。「これを考えながら、平和の勉強をして下さい」
★女子高校生たちは千羽鶴を捧げ、全員で、「ハレルヤ」と、もう1つの歌を捧げた。教会内に素晴らしい歌が響き渡った。記念の写真を撮った。この学校に語るのは、これが最後になるでしょう、と私には、その予感がよぎった。
★高原修道士さんの運転で、ホームを出発したのは午前10時。戻ったのは午後3時だった。安堵感で、疲れは全く感じなかった。昨夜は熟睡でした。

5 件のコメント:

  1. お疲れ様です感謝いたします。

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  2. トマさん 本河内教会に来てたんですね!!
    昨日 行ってたのに〜笑笑
    トマさんからお話が聞けて 高校生たちも幸せだと思います。語り部これからも続けて下さい。
    トマさんのお話をゆっくり聞きたいです!
    トマさん すごいね。わたしトマさんのおはなしをいっぱいききたいです。トマさんありがとう。

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  3. トマさん、すばらしい心に響くお話有難うございました。機会があれば是非自分もトマさんのお話をうかがいたいです。これからも貴重なお話、説教を通じていろいろ教えていただければ幸いです。神に感謝。

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  4. 40分も立ちっぱなしですか!生徒の皆さんが熱心に耳を澄ましておられて、懸命に語られたのでしょうね。今日のお話は生徒さんの心に残り、人生の壁に突き当たった時に思い出されることでしょう。

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  5. 高校生たち、たぶん20年後30年後40年後に今日のトマさんのお話しだけでなく、トマさんのお姿を思い出され、勇気づけられることでしょう。トマさん、お疲れ様でした。来年も…是非…✨

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