2019年11月27日水曜日

訪ねてきた外国人。博士獲得。1冊の本に未来を託す。トマも喜ぶ

寒い冬の日だった。オーストリアからグウィン・マクレランドさんが、ホームの自室に訪ねてきた。博士論文のためだという。私の原爆体験や、コルベ神父の話を聞かせた。
★あの日から、3年9か月が流れる。グウィンさんが再び自室に現われた。「博士になりました。博士論文から、本にまとめました。この本です」DANGEROUS・MEMORY・IN・NAGASAKI。「長崎の恐怖の記憶」
★本は216頁。その中の「文化的見方」に、小崎修道士の体験を10頁ほど載せている。「原爆、見た、体験した、逃げた」「新しい使命」「殉教者の道」「長崎からアウシュヴィッツ」などの項目がある。
★グウィンさんは、12歳のとき、英語版の「はだしのゲン」を読んで原爆を知る。日本に興味を持った。何度か日本へ来て、公立中学校でも英語の教師を勤めた。
★広島と長崎を訪問する度に、両者に違いが分かる。長崎には「十字架」「マリア」「浦上天主堂」の柱がある。カトリック信徒たちは、どのように復興したのか、注目した。それが博士論文の主題になる。著書には、小崎少年の原爆地図も載せた。再度、彼を迎えた小崎修道士は、「よくぞ、まとめてくれました」と感謝した。この度は3週間ほど日本に滞在する。長崎でパパさまのミサにも参加して祈った。
★グウィンさんはキリスト教徒(バプチスト)である。オーストラリアのメルボルン・モナシュ大学・歴史学部で教師をしている。奥さんの写真を見せてくれた。2人の子供さんも居る。写真も見せてくれた。これから幸せがくるだろう。
★この1冊の本が、彼の未来を開くだろう。この度の滞在で、東京や京都、長崎の大学で、日本語で講義をします、と嬉しそうに笑った。小崎の頁の中に、私が北朝鮮の中学入試のとき、「天皇の軍隊と、キリストの軍隊と戦ったら、どちらに付くか」と試験官から問われて、「キリスト」と答えたことも載せている、と聞いて、びっくりした次第だった。

4 件のコメント:

  1. トマさんの繋がりは世界規模ですね。
    スゴイの一言です!

    雨の後は寒くなりそうです。 どうぞ暖かくしてお過ごしください。

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    1. ホームに居ても、いろんな人が訪ねて、ご縁が出来るので、ありがたいです。

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  2. 日記の愛読者のひとりです。

    Gwyn McClelland さんの本(英語)をアマゾンで調べると、15000円前後の値段で買えそうですね。カトリック教徒9人の生存被爆者を調査されて本にまとめてあるようです。日本語訳が早く出版されるとよいのでしょうが。

    本人のTwitterを調べると、今日は長崎大学で、28日は九州大学、12月4日は南山大学 南山宗教文化研究所(名古屋)、5日は国際基督教大学 キリスト教文化研究所(東京)で講演が予定されているようですね。すごいですね!

    ふたつの国をつなぐこれからの研究活動に豊かな実りがあるといいですね。

    歴史を振り返ると、
    戦争中、長崎には二つの捕虜収容施設がありました。
    その福岡俘虜収容所第2分所(香焼)や 第14分所(長崎市幸町)にはたくさんのオーストラリアの兵隊が収容されていました。彼らもまた被爆者だったのです。

    オーストラリアにある戦争記念館(Australian War Memorial)には彼らの資料とともに、長崎の三菱造船所でも製造されていた「震洋」とういうべニア板製の特攻モータボート(Shinyo, kamikaze boat, suicide boat)も保存展示されているようです。

    何かしら不思議なつながりを感じますね。

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  3. 詳しい報告を知らせて下さり、ありがとう。英語が分からないので残念です。1万5千円の本とは、びっくりしました。いろんな人が、トマのところに来ているんですね。ぼや、ぼや、しておれません。生かされて、感謝。

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