2019年9月27日金曜日

教会の鐘造りの夫妻の思い出が、何十年を経て、今に、つながる

長崎市の、巨大な造船所の近くで、鋳物(いもの)工場を経営する西田さんが居た。何人もの男子、女子の子供に恵まれていた。その中には、シスターも2人いた。自分の子供からシスターが2人も出たことで、西田さんの信仰はますます熱心になり、仕事にも変化があらわれた。造船所の仕事をする傍ら、技術をいかして、教会の「アンゼラスの鐘」の製作を思い立ったのです。
★その頃、トマ修道士は時々、西田さんの工場を訪ねて、仕事ぶりを拝見し、会話していた。西田さん夫妻の印象を忘れない。彼は、鐘造りは難しい、と言いました。「良い音を出すのに、苦労します。厚みと、空間と、冷やし加減がコツなんです。手本は、市内にある教会の鐘です。フランス製ですから、とても音がいいんです」と苦労を語るのでした。そんな西田さんに親しみを覚え、忘れません。鐘といえば、西田さん夫妻が浮かびます。
★西田さんは、教会の鐘造りに邁進し、25年が経過しました。その間、造った鐘は29個だった。中でも一番の大型の鐘は、山口市のザビエル教会です、と言いました。そして、30個目の注文を受けた時が、なんと、西田さん夫妻が結婚して50周年の金婚の時だったのです。昭和60年、1985年でした。
★あれから時は流れて、令和元年、2019年になる。西田さんの金婚式から、34年が経過している。何人かの男の子が居る中で、西田金悟さん・ゆり子さん夫妻が鐘造りを継ぎました。金悟さん夫妻には、また何人かの子供がいます。
★その中の1人が、ホームに勤務しており、先日、結婚式を挙げた西田さんです。弟さんには、神学生がおり、妹さんにはシスターがいる。2代目、3代目も、神さまに『つながる』奉献者がいるんですね。信仰は、こうして次々に受け継がれていく恵みと思います。西田さんの結婚式には、弟さんが司祭のソバで式の奉仕者を勤めました。またシスターの姿もあった。
★いまホームの湯江教会のアンゼラスの鐘は、これまで手動でならしていたが、電動式に変えるように、西田さんの会社に頼みました。鐘の塔にヤグラが組まれて、電動式に完成し、以前より、鐘の音の響きは、遠くまで清らかに届くようになった。間もなく、ヤグラも外されるでしょう。
★鐘造りの注文は、いまは少なくなっているそうです。西田さん夫妻が始めた鐘造りも、苦労しながら何十個造ったか、わかりません。しかしトマ修道士には、西田の爺ちゃんを知っているだけに、その鐘造りと信仰と仕事の『つながり』に、胸に熱いものを感じています。結婚した西田さん夫妻が、愛のある家庭を築き、幸せになりますように祈ります。

2 件のコメント:

  1. とっても素敵なお話ですね。
    いつか湯江教会の鐘の音を聞きに行きたいです。

    返信削除
  2. いつか、ホーム、教会を訪ねてください。近くに、干拓・堤防・道路があり、ドライブには良い場所ですよ。

    返信削除