2014年2月10日月曜日

60数年をつなぐ愛とイノチの物語(その2)。再会の喜び。

「かー坊」さん夫妻が、訪ねてきた。彼は、71歳。奥さんは、61歳。あの幼い時代から、60数年が経過している。これまで沢山の苦労があったでしょう。「苦労は語らなくて、いいのです。愛を聞かせて下さい」。中学を出て、町のお店に就職した。奥さんとは、見合いだった。お話しがあったとき、奥さんのお兄さんが、彼が、まじめに、正直に、お店の配達をするのを知っていた。「あの人ならば、大丈夫よ」。彼、34歳。奥さんは、24歳。カトリック教会で、結婚式をあげる。奥さんは洗礼をうけた。「かー坊」さんの新しい出発だ。3年後に、女の子に恵まれる。「ああ、よかったね」。女の子は成人して、看護師になり、病院で働いていた。良縁あって、娘さんも結婚し、男の子、女の子、2人の可愛いお孫さんにも恵まれた。「ああ、よかったね。すばらしい」。彼が、奥さんを気遣いながら、こう言うのです。しみじみ修道士はそれを聞いた。「ツライことは、沢山あった。あったけれども、それでも、ワタシのチカラでなしに、神さまの御手に守られていたと感じます。この人を含めて、この人を通しても、いまは感謝している。カトリックの信仰を親が残してくれた。苦労は、したけど、がんばる程でもない。一歩、一歩、何事もなく、毎日を歩いてきました」。修道士は、彼の言葉に感動した。苦労は、イッパイしたけど、苦労の話は、もう、いいんです。それより、優しい奥さんに、めぐり合えて、娘さんに恵まれ、更に、お孫さんにも恵まれた。この愛とイノチのつながり、よかったですね、すばらしいジンセイだった。いま思います。3歳のとき、熱心に祈ったのが原点だった。施設での教えは、厳しかった。その教えがあったればこそ、生き抜いた、耐え抜いた、そして愛をつかみ取ることが出来たのです。そう思い、確信した。町のお店から、後では会社に転職した。会社を定年退職して、11年になる。夫妻は、手をつないで、毎日、散歩に出るのが楽しみだそうだ。「けんか、したこと、ある?」。お互いに、顔を合わせながら、「ないね」。そして笑った。結婚前の奥さんのお仕事は、美容師だった。結婚以来、彼のアタマのサンパツは、奥さんの仕事。「アタマは、大きいですか?」「大きいんですよ。帽子も大きい。髪は真っ黒で、沢山あった。白くなったし、髪も薄くなった。大きなアタマだけが、残った」「載せるからね」。了解だけは、取っておいた。「ジンセイに、大切なもの、コツコツと耐えること、正直に生きること、辛抱すること、その教訓があったればこそ、愛の花がリッパに咲いた。修道士も、ルンルン気持ちになる、うらやむ夫妻であった。

1 件のコメント:

  1. マリア・フランチェスカ2014年2月10日 22:58

    昨日は一生懸命祈る子供達の写真に涙しました。
    今日は「かー坊」さんがお幸せになっていることが
    嬉しくて嬉しくて・・・・
    祈ること、耐え辛抱すること、正直に生きることを
    改めて知らされました。神様に感謝!
    「かー坊」さんご夫妻が
    これからもお健やかでお幸せでありますように☆

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