2012年7月16日月曜日

大女優・山田五十鈴さんと日本26聖人の映画・14歳の出演

大女優・山田五十鈴さんが、95歳で他界された。1930年、13歳で、日活に入社とある。26聖人の映画は、1931年の制作だから、14歳だった。セリフなし、たった2秒の出演だった。入社当時の駆け出しだから、出演だけ、したのだろう。1931年(昭和6年)の映画雑誌『シネマ王国』9月号は、日本26聖人特集号で、そこには、セリフなしの山田五十鈴さんだが、片隅にコメントが載っている。「信仰というものは、誰にも無くてはならぬものだと存じます。信仰があると、どのような悲しい出来事にも堪え得られるし、心が平らに落ちついて物に動じないと思います。『日本26聖人』では宗教のために殉じた尊い人々の物語りが描かれて居りますが、わたしなんか、撮影中も普段にない引きしまった気持ちで通しました。ルドビコ茨木健市の役をやる中村英雄さんやアントニオの尾上助三郎さんが、最後に喜んで宗教に殉ずる場面では、思わずホロリとしました。悲しいのではないのです。殉教者とはあんなにも崇高な気持なものかと思って感じ入ったのです。わたしは、細川奥方がラシャ夫人の侍女マダレナ桜木に扮して居ります」。14歳でこのような素晴らしいコメントが書けるのでしょうか。若い頃から、真実を見詰めていた女優だった。いま、あらためて尊敬する次第です。日本26聖人の弁士役として、山田五十鈴さんのことは決して忘れない。