★8月も、今日で終わります。8月は原爆の日や、母の命日もあったが、今年は恵みの月となった。なんと言っても、心に残るのは「写真展」でしょう。生きていて良かったな、思いました。ホームに居ても出番があるな、感謝しました。1人では出来ない。助けられて、支えられて、実現に至った。各社の新聞にも載せてもらった。ありがたいです。
★ホームの自室に居て、時々「電話です」と拡声器で呼び出しがある。電話に出ると全く見知らない女性から「東京からです。トマさんの声が聞きたい。元気をもらいたい」などと声がする。ありがたいが、応対するのがキツイ。トマの声は、もうカスレ声だよ。出ないよ。それでも聞いたら、元気がでる、という。長話すると、足が痛い。立っているのも苦痛だよ。どこで、どんなご縁につながっているのか、わからない。ホームに居ると「修道士」の身分を忘れる時がある。ダメだな。覚悟がたりない、な。
★きのうも、女性から電話があった。長崎市からだという。「トマさんの本を何度も読んだ。新しい本は出ていないのか。教えてほしい」「アンタ、何年、生まれ?」聞くと「昭和19年」という。「終戦は、1歳だな」。いつも終戦で判断する。「トマさんの本、愛読者だよ。新しい本を出してほしい、読みたいよ」。どこの、だれかも知れない女性が、本の名前を挙げて教える。『春いつまでも』は読んでいないらしい。「騎士社に電話で頼みなさい」「いいえ、行きますよ。行って、買って、払います」「元気でね。足腰がしっかりしている内に旅行して、おいしい食事をして、長生きしなさい」。その言葉は、自分に聞かせる慰めの心境でもあった。
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