★月曜日の夜、からだが徐々に弱っていた女性が亡くなった。次の日、火曜日の午後、ホームの祭壇の間で、お通夜が行なわれた。園長神父さんの話です。「マリア〇〇さんは、平成元年8月に入居して、令和の元年8月に神さまに召されました。30年間、ホームで生活されたのです。入居された時は、お元気でした。家族として、信仰について教えたり、弱い人を支えたり、活躍されました」。平成元年に入居して、令和元年に逝かれた、それを知って、「えッ、区切りのいい、マリアさんだったな」と心を動かされた。
★亡くなったマリアさんについて、食卓で話題になった。日曜日に、親戚の人が来られて、屋外の、聖フランシスコのご像の前で、写真を撮っていました。それを聞いて、「え?ホントなの?」と、疑いをもった。この数か月、徐々に、からだが弱っていた女性が、屋外に出て、写真を撮るなんて、信じられない、と疑った。「写真を撮ったというのは、あの職員さんです」と教えられて、その職員さんに聞いてみた。看護師さんの許可を得て、撮った。「ホントですよ」「いや、びっくり、だな」
★これが、その時の写真です。(親戚の許可を得て、載せました)。日曜日に、親戚の3人が見舞いにきた。女性は、急に明るい顔になって、「外に、出たい」と願った。園長神父さんの付き添いで、聖フランスシスコのご像まで連れて行ってもらった。喜んで、目をパッチリあけて、安らかに、満足そうに、楽しんでいた。30年の長い期間を暮らしたホームを屋外から、しっかりと眺めていたのです。
★次の日、月曜日の夜、マリアさんは91歳の生涯を閉じた。眠るような、安らかな最期だった。うらやましい終末だった。
★火曜日がお通夜で、葬儀は、水曜日(きょう)の午前に行なわれた。91歳、30年をホームで過ごした。人生の3分の1をホームで暮らした。平成に入って、令和に逝った。マリアさん。最後は、アシジの聖フランシスコのご像の前で、写真を撮った。ホームを眺めて、神に感謝し、聖母マリアに感謝し、職員さん、入居者の皆さんに感謝し、パッチリ、目をあけて眺めて、その翌日に生涯を閉じた。こんな素晴らしい死に方があるだろうか。この女性、マリアさんの思い出は決して忘れない。マリアさんはホームの墓地に埋葬されるように望んだ。葬儀ミサ、告別式終わり、棺のフタをあけて親戚初め、職員ん、ホームの皆さんがお花を添えた。遺体の上に、あの聖フランシスコご像の前で撮った写真が、載せられていた。
お祈りしています。
返信削除お祈りありがとうございます。時々のコメントに感謝します。
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