2020年4月11日土曜日

食卓をかこむ、1人、1人の道は違うけど、恵まれた人生だよ

ホームの庭のすみに、鯉のぼりが上がった。まだ5月は遠いと言うのに、はやばやと、空に「こい」が舞う。幸せを呼ぶような、困難にも負けるな、というような「こい」が踊る。
★老人は、日、一日、一日を大切に生きている。それは与えられた「イノチ」だからです。骨のズイから知っているからです。
★きょう、ホームで、変わったこと、ありました? ありましたよ。なんですか? あのね、食堂の席替えがあったんです。車椅子の人や、腰が曲がって、押し車の人の席は、もう決まっているのです。たいていは、入口の近くですね。
★ゲンキな人、押し車でもチカラがある人、約20人は空いた席を確保するのです。そりゃ、そわ、そわ、しますね。アッと言う間に、思い思いに席につく。新しい席は、6人がけ。トマと、瀧神父さんと、大野神父さんが、いっしょの席になりました。今までは、3人とも別だった。あとの3人は女性で、カトリック。トマが「いっしょに、祈りば、しようか」。瀧神父さん「トマ、おまえが、あげろ」「父と子と聖霊のみ名によりて、感謝のうちに、この食事をいただきます。こころと、からだを支える糧としてください、アーメン」
★他人と、歩んだ道は、違うけど、1人、1人が、召された人生だった。比べなくても、いい。トマは、トマで、恵まれた道を、歩いた。トマしか、歩めない、この道はー。十分、満足して、よい。苦しみ、あっても、この道なのよ。道に、ユーモア、食卓にも、笑いを、ゆとりを残す。これが、ホンモノ。デキタ人間といいます。

1 件のコメント:

  1. 席替えのワクワクとほのかな恐怖のようなもの(笑)が伝わりました。

    ただその場に集う。そして共に祈る。
    研ぎ磨かれた強さに、心を打ち抜かれました。

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