「トマさん、トマさん、ツバメが資料室に入って来ていますよ。2羽ですよ」と美紀さんが教えてくれた。「えッー」と、びっくり。資料室で、2羽のツバメが、チュウ、チュウ鳴きながら、快速で飛び回っている。よく、まあ、ぶつからないモンだ。「こりゃ、こまったな」。シィ、と追い出すわけにも、いかない。2人は只、天井を見上げるだけだった。「どうしようも、ないね。捕まえるわけにもいかない」。どこから入ったのか。玄関しか、開いていないハズだ。「よし、窓をあけよう」。2人は右の窓を大きくあける。「左も、あけよう」。これまで開けたことがないので、中々あかない。2人は力を合わせて、見事にあけた。風が流れて入ってくる。ツバメにはキッと、風の流れが分かるはずだ。やっぱり、1羽が、スウーッと、出て行った。「よかった、よかった。さあ、お前さんも出て行きなさい」。これが中々出ない。「どうしたんだい?」。案じていると、出て行った1羽のツバメが、また戻って、ハイって来たではないか。これには、さすがに、びっくりした。愛情なんだね。「連れに、来たんだね」。わかっているんだね。やっと、2羽とも、出て行って、見上げる2人も、安心した。このようなツバメの風景に出会ったのは、初めてだった。感動した。「よかったね」。そして、「幸せに、なれよ」。思わず心で叫んでいた。
長崎のカトリック修道士。17歳の時、原爆を受けて、この道に入る。 生かされて来た数々の恵みの中で、今年の1月、最大の試練「すい臓がん」を告知された。 「みむねの・ままに」。孤独と苦痛に耐え得るチカラを日々、祈る。 毎日、日記を書き続けて13年。今、長崎市の病院・ホスピス病棟で暮らす。 追記 2021年4月15日 午後6時48分 帰天されました。享年93歳
2014年5月4日日曜日
感動した。2羽のツバメ夫婦よ。一緒に幸せになれよ。
「トマさん、トマさん、ツバメが資料室に入って来ていますよ。2羽ですよ」と美紀さんが教えてくれた。「えッー」と、びっくり。資料室で、2羽のツバメが、チュウ、チュウ鳴きながら、快速で飛び回っている。よく、まあ、ぶつからないモンだ。「こりゃ、こまったな」。シィ、と追い出すわけにも、いかない。2人は只、天井を見上げるだけだった。「どうしようも、ないね。捕まえるわけにもいかない」。どこから入ったのか。玄関しか、開いていないハズだ。「よし、窓をあけよう」。2人は右の窓を大きくあける。「左も、あけよう」。これまで開けたことがないので、中々あかない。2人は力を合わせて、見事にあけた。風が流れて入ってくる。ツバメにはキッと、風の流れが分かるはずだ。やっぱり、1羽が、スウーッと、出て行った。「よかった、よかった。さあ、お前さんも出て行きなさい」。これが中々出ない。「どうしたんだい?」。案じていると、出て行った1羽のツバメが、また戻って、ハイって来たではないか。これには、さすがに、びっくりした。愛情なんだね。「連れに、来たんだね」。わかっているんだね。やっと、2羽とも、出て行って、見上げる2人も、安心した。このようなツバメの風景に出会ったのは、初めてだった。感動した。「よかったね」。そして、「幸せに、なれよ」。思わず心で叫んでいた。
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