時折「歳は幾つ?」と聞かれる。「近々、90」と答えると、「え?お若い」など言われる。自分では、顔はボケ老人と思っていて、食堂のカガミに鼻を拭きながら顔を映すと、「まあ、いい顔、しているな」。小さな満足する。だが問題は、テレビにどう映るかだ。叙勲会場にはテレビが来ていたからね。勲章を戴いてホームへ帰った夜、5時半だった。6時15分から長崎版のテレビがある。そうか、日曜日だな。長崎版のニュースは6時45分からだった。待っていたよ、とテレビに出たのが、この写真です。
★場面は、ポーランド外務副大臣が入室する処から始まり、長崎市長さんの挨拶、私の神学校時代の同級生たち、勲章を授与する処、コルベ神父のお姿、そして出た、私の顔が。「ああ、やっぱり老人だよ」が感想だった。まあ、それでも無事に、テレビにも出させて貰って、有り難い事です。
★ホームの自室に戻ると、やっと緊張が解けてか、ゆっくりした気持ちになった。だが、シンは疲れていたのだろう。心底で興奮が未だ冷めないのか。ベッドへ横になっても中々眠れなかった。「勲章」を戴いた夜だから仕方はない。突然、携帯が鳴る。「なんで、いま時」。起きて、携帯をつかむと、佐世保の親戚の女性からだった。「テレビ、見たよ」と喜びの声。「おお、ありがとう」。10時近い。ますます、その夜は眠れない。
★ホームの職員さんや入居者からも「おめでとう」の挨拶を沢山戴いた。授与の夜は、2度もニュースに流れた。次の朝も、また放送された。しかも「九州・沖縄のニュース」でも放送されたらしく、福岡からも、2回、電話が入った。嬉しい反響でした。
★ホームの生活は、単調で、平日、何事も起こらない。日々、淡々と過ごしている。何事も無いようだが、トマの場合、時々、「ドッカーン」「ドッカーン」と突き上げるような何かが起こる。ホームに居て、それが面白い。
★それと、もう1つ、長崎の人に、時々、忘れないように「コルベ神父」の話題を提供する必要があると感じた。長崎は鎖国時代から、シーボルト先生や、グラバーさんなど有名な外国人が多々出ている。その中で、身代わりの愛の聖人、コルベ神父を忘れてもらっては困る。長崎の人には時々話題にして、「コルベ」を心に刻み付けて欲しいと願う。それを果たした意味でも良かったと思う。