原稿書きに専念していると、いつからか資料室に、1人のシスターが来ていた。帰る頃になって、気が付く。「あれ、ごめんね」と、押しとどめ、イスに座らせ、話を聞いた。93歳だよ。ゲンキじゃね。シスターの話を聞くと、タマシイに「カッ」を入れられたよ。生活の先輩だからね。説得力がある。浦上のニンゲンだしね。戦争が始まる前だよ。昭和16年8月5日、雪の聖母の日に、長崎で、初誓願を立てた。19歳だった。「なぜ、シスターになったか、って」。母は、厳格だったけど、慈愛。無私の愛。母が、もらした言葉。「世の中で、イチバン、よかところは、修道院よ」。その言葉が、どこかに残った。あれから74年が経過している。シスターがチカラ強くいう。「1度も、後悔したことが、なかったよ。ワタシのような者を召してくださった。神さまの、みせつり。愛、ですね。何事も、愛。病弱であったのも、母の思い出も、やっぱり、はからい。神さまが、愛して、おられるから、その道、その道で、そのときは、ツラかったが、いま、このゲンキをもらっている。みはからいの御心を、日々、カンシャしています。信頼しきって、川に落ちないよう、ミゾに落ちないよう」。シスターの言葉は、ますます熱が加わった。押されぎみ、だよ。です。もう閉館、ロザリオの時間になったので、別れた。シスター、がんばれ。ワタシも、がんばる。気持ちの、すっきりした、夕どき、だった。シスター、カオは、見えん、けんね。
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