広島で、訪ねした家族の、床の間に、「登明修道士」と書いた掛け軸が掛けられていた。「え?ほんとうか」と覗き込む。「修道士さんが、来られるというので、以前に、描いてもらった、ブドウの絵を掛けました」と奥さん。「うれしいなあ」。毎度、季節によって架け替えているが、今日は、ブドウを選んだ。もう1度、「うれしい」。じーっと、墨絵を眺めました。「おお、リッパに描いているよ」と、満足しました。とにかく若い頃に描いた作品なので、ブドウの葉っぱに、力がこもっているのです。はっきり、わかります。筆の伸びが、違いますね。ここで、例の小さなカステラのミヤゲを差し上げました。この家族には、大変お世話になっています。もう40年も前になるか、家族が「長崎オらショの旅」に参加したのが始まりです。「まだ信仰の話を書いていますか」と奥さんの問い。「神さまの導きが、そこに有る」と、各々家族を訪ねて記事を書いてきたが、何十年を経過して、いま、また同じ家族に連絡を取ってみると、壊れている悲しい家族も中には居るにですね。ニンゲンの世の中だから、仕方がない。その時は、よかったが、年月と共にニンゲンは変わっていく。変わるのが、悲しいです。結局、書いていて、いちばん、安心するのは、我が事ですよ。自分の事を書くのが、いちばん、安心します。掛け軸の前で、「ハ、ハ、ハ」と笑った。
小崎さん
返信削除お元気そうですね。広島は何回目の訪問ですか。お気を付けて。石田