いま、テレビや映画で、「カツベン」が注目をあびている。「カツベン」とは「『活』動写真の『弁』士」のことです。私も、日本二十六聖人の活動写真の弁士を務めたから、興味がある。
★動く人物「画面」が始まったのは明治の末頃からです。大正時代に「物語」が取り入れられ、人気を博するようになった。テレビで、時代劇や忍術物の断片を見た。
★最初の頃の画面は、まだ、チョコ、チョコと動く幼稚さがあった。大正時代は15年だから、そんなに長くない。日本二十六聖人「われ世に勝てり」は、昭和6年の製作だから、年月は、そんなに長くは経っていない。
★カツベン時代の映画を見ながら、日本二十六聖人の「活動写真」が如何に素晴らしいか、技術的にも群を抜いているのが分かった。チャンバラの場面はもちろん、泥道を行く神父の足元をアップさせたり、地震の場面では、逃げ惑う群衆のソバで、実際に家屋を倒壊させている。ドラマの流れも、正確であり、興味ふかい。
★日本二十六聖人の映画は、音楽もなし、セリフもない。画面に合わせて、音楽をテープに収録するのに、苦労した。舟の難破、地震の凄さ、チャンバラの音、擬音や聖歌、色々な音を使って、場面を盛り上げた。よくやったと思う。
★セリフが無いから、自分でシナリオを作って、自分で「弁士」を務めた。素人ながら、がんばったよ。原点は、小学生の頃に見た、聞いた、弁士の映画だった。無声映画が上演されて、弁士が流れるような調子で解説した。楽器を奏でる数人も居た。
★中国との戦争が始まると、映画が途中で止まり、実際に兵隊が舞台に上がって、ドン、パチ、戦争を再現した。当時の民衆の戦意を鼓舞した。少年の頃の印象は消えない。
★「カツベン」が見直されるとは、懐かしいね。カツベンやって、ウン十年だよ。日本二十六聖人をよみがえらせた。いま、その「カツベン」が注目されている。現代は、急ぎすぎだよ。トツ、トツと、ゆっくり、流れて、心に染み入る時代の作品もあった。日本二十六聖人の映画は、映画史に刻む名作だと信じている。あの作品に熱情を注いだ十数年は、貴重な時だった、と思っている。「映画」と「音楽」と「弁士」は、DVDに入れて、500部を無料で配布した。どこかに、そのDVDの弁士の声は残りつづけるだろう。
日記愛読者のひとりです。
返信削除YouTubeの中に、『日本の26聖人』と題して、2016年3月にアップされた動画を発見しました。
すでに1万人以上の人が見ているようです。
動画は1時間20分余りの作品です。
ひょっとしてこの動画ではないでしょうか?
YouTube:
https://www.youtube.com/watch?v=ZjpL8w5JeaI
ずっと見たいと思っていたこの映画。
返信削除私は昨年、小崎さんからこのDVDをいただき拝見いたしました。
このYouTubeの動画は、まさしく小崎さんが弁士を務めた映画で、大変素晴らしい作品です。
もっともっと多くの方に、この作品を見ていただきたいと思います。