人に、話を語るには、自分に、話すパワーがいる。気力というか、話力というか、出す内容がないと、話せないよ。それが有れば、心配は、いらん。大丈夫さ。
★11月の中ごろ、女子高校生たち180人に語りべを務めた。ああ、皆さん、よく聞いてくれたよ。自分も満足した。そのお礼の手紙が、代表者の1人の女子高校生によって届いた。もう、2学期も終わるね。
★3枚に綴った文面を見て、おどろいた。字がキレイ。「え?こんな上手な、字を書くの?」。まるで、ペン習字の手本のような字を書いている。何という美しい字の流れだ。しかも知的な文脈に感心した。今どきの女子高校生に、こんな整然としたフミを書く人が居るんだね。
★「特に印象的であったのは、何度か涙ぐまれるほどに思いを込めてお話しされたことです」。確かに、あの時、ナミダも出たわね。母も死に、友も死に、天主堂は瓦礫と化し、コルベ神父は餓死室で死んだ。悲しい出来事を語れば、老いの目には、涙腺もゆるみ、目もかすんでくるわね。
★「生きるとは、孤独と出会い。人の痛みを分かる心を持つことは、赦すことであり、平和の一歩である」。私の体験の何が、この現代の女子高校生たちに伝わるのか。伝え得るのか。自分のヨロイを外して、自分の言葉で話すしかない。
★「なお、素敵な絵葉書をありがとうございました。『どんな逆境でも、希望と、勇気で、今を生きる』。手帳に挟みました」。いろいろな言葉がある中で、この一句に出会った。これらのカードは、大分県の恵理子さんが奉仕して、女子高校生さん達のために、200枚ほど作ってくださった。喜んでもらって、嬉しい。
★手紙の最後には「ジンクーエン」(ポーランド語で、ありがとう)の文字もあった。覚えてくれて、ありがとう。長崎で、聞いた一語だよ。「ご恩を直接お返しできませんが、教えていただいたように、別の人に別の形で返せるように努力します」
★早速、私は、永井博士「如己堂」のスケッチ絵葉書に、返事を書いた。手紙を受け取ったことを感謝し、自分の思いも一筆した。★「旅とは、➀ホンモノを見ること。(教科書や本、聞いた話、それらを現場に行って確実に見る)②地元の人との出会い。(これも大切。長崎で修道士に出会ったのも、記憶に残してほしい)③旅によって、自分も何かの好転をする。(これも必要でしょう)。私の持論を、ハガキに記した。
★若者には、未来がある。未来を、愛と誠実に生きる義務もある。そんな気持ちで、手紙を読んだし、女子高校生たちに話してよかったな、と今の私は、思う。
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