ホームの玄関の前で、陽の光をあびて、ジッと動かない男性がいた。自室の窓から、見つけた。「ああ、入江さんだ」。何を思い、見詰めているのか。車道の広い空間。花畑。時は過ぎる。入江さんは歩行器で、今朝も6時のミサで祈っていた。早朝なのに、毎朝、教会は欠かさない。
★入江さんが入居したのは、2015年4月だった。90歳。あの頃の入浴は、入江さんとトマは一緒だった。入江さんがトマの背中を洗ってくれた。教会のミサの聖布にアイロンをかけた。時には漁船を借り切って、ホームの職員や修道院の神父さんと、天草灘に釣りに出るほどの元気もあった。食事はいつもトマと一緒だった。「小崎を頼りに、入居を決めたよ」と信頼してくれる。『トマさんのことば』にも、入江さんを載せた。あれから4年が経過している。老人には歳月の1年、1年が変化をもたらす。
★入江さんは8月1日が誕生日なので、もう直ぐ94歳になる。入江さんの根性というか、生きるチカラというか、熱意のある信仰心にも、圧倒される。食事は、「サクラの間」で食べているから、最近は話す機会がない。寂しい限りです。お元気で居られるのが何よりです。
★入江さんは青年の頃、聖母の騎士で学んだこともあった。神学校から軍隊にも行った。満州だった。入江さんは、ポーランド人の神父さんや修道士さんの名前をあげて、トマに問いかけていた。青年の頃の思い出は、消えない。そこに入江さんへの親しみも湧いてくる。
★いま、トマは91歳だが、94歳になった時、入江さんのように行動できるか、全く自信がない。信念が有る人には、負けるよ。自室の窓から、ジッと、入江さんを眺めていた。
★この世で一番大事なことは、愛とイノチです。もう1つ、あるんだな。信じること。神を信じることによって、本当の愛とイノチは、完成される。
入江さんのご健康を小さい者ですが
返信削除札幌からお祈り続けております。
入江様のご健康をお祈りします
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