2019年6月15日土曜日

見て、見てと、絵里さんが人面トマトを持って来た。優しい心遣い

昼食後、自室で、くつろいでいると、突然、絵里さんが入ってきた。花つぼに差した、みどり色の小さなツブ。「なんね?」「トマトよ」「えー、小さなトマトだね。どら、どら」。小さな丸いツブが幾つも付いている。
★「うちの、アパートの2階のベランダに植えているトマトなのよ。風に吹かれて、モゲた。それで、ホームのおばあちゃんのところに持ってきたとよ」「ウン、わかった」
★「おばあちゃんの食欲が出るように、持って来たのに、おばあちゃん、トマトきらい、と言うじゃないの。そしたら、トマト、こわいそうに、こんなカオになってしまったのよ。人面トマトよ。かなしいカオだよ。話のタネになるかなァと、持って来た」「ウン、どれ、どれ。人面トマトだね」。相づちを打った。絵里さんは「はな」ちゃんのお母さんだ。はなちゃんも見たのかなァ。
★介護の絵里さんが、ホームのおばあちゃんの食欲を、健康を、気にするなんて、いい話じゃないですか。ホームは、こんな小さな心遣いで、まるく、あかるく、運営され、まわっている。そう感じた次第でした。

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