2018年10月1日月曜日

10月、ロザリオ月。聖女テレジアの恵みの実話

朝ミサの時、司祭が告げた。「10月はロザリオの月です。ロザリオを聖母マリアさまに捧げましょう。今日は幼いイエスの聖女テレジアの記念日です。聖女テレジアは宣教者の保護者でもあります」
★写真は長崎・聖コルベ館に展示されている幼いイエスの聖女テレジアの聖絵(左側)。コルベ神父がポーランドから取り寄せた。「10月がロザリオの月。そして聖女テレジア」というと、どうしても忘れない話がある。私が直接、長崎・神の島教会へ行って、当時、主任の岩永静夫神父さんに聞いた。もう何10年も前の話です。
★岩永静夫神父さんは神学生時代に、コルベ神父から哲学を習った。哲学と共に、聖母マリアへの信心、ロザリオの勧め、宣教者の保護者・幼いイエスの聖女テレジアへ取り次ぎを願う心を教えられた。当時は未だテレジアは福者で、コルベ神父は「あなたの事を騎士誌で宣伝しますから、恵みの取り次ぎを願います」とテレジアと契約を結んでいた。そして実際に多々恵みもあった。
★岩永神父さんは司祭になり、兵隊に採られ、満州へ送られた。現地で終戦。ソ連兵の捕虜となり、シベリアで過酷な労働を強いられた。司祭なのにミサも挙げられない。岩永神父さんは苦難な生活の中で、毎日、ロザリオを3本唱えたというのです。指でも唱えられる。信じられますか。あの軍隊で。エライと思いますよ。更に、コルベ師から教えられた「宣教師の保護者・幼いイエスの聖女テレジアに取り次ぎを祈りなさい」。岩永神父さんは祈った。
★7年の苦難の後、生き延びて、長崎へ帰った。真っ先に向かったのが大浦天主堂であった。丁度10月、ロザリオの月で、夕方、堂内では大勢の信徒がロザリオを唱えていた。その時の感激。想像できるでしょう。しかも、その日は、何んと幼いイエスの聖女テレジアの祝日(注・当時は10月3日でした。今は10月1日の記念日)だったという。
★岩永静夫神父さんから、この実話を聞いた時、人の一生に於ける大きな神の恵みと導きがあるのを強烈に感じた。あの神父さんは既に故人となられた。しかし私の心には、岩永神父の苦労とお恵みが消える事無く残っている。私の信仰のチカラにもなっている。こうした素晴らしい信仰の実話は、残していきたいと思っている。
★幼いイエスの聖女テレジアはカルメル会のシスター。120年程前に、24歳で神に召された。修道院の中で過ごしたが、宣教の熱意に燃えていた。
★『トマさんのことば』「いい思い出を沢山つくろう。いい出会いを沢山しよう。いい話を沢山聞こう。これが私の3原則です」