「コーちゃん、コーちゃん」と、久しぶりに呼ばれて、うれしくなった。少年の頃を知っている人に出会うのは、ありがたい。人と成りを分かるからね。幸一だから、コーちゃんと呼ばれた。いまは、もう久しく呼ぶ人は、いない。老人ホームに、フミエおばさんを訪ねた。「お年は、何歳?」「大正10年の生まれ」。計算すると、92歳。「ゲンキだよね」。案内した家族は、「少し、知識が遠いです」と言っていたが、こちらを見るなり、「コーちゃん、ね」。いや、もう、お訪ねした甲斐があったよ。「いつまでも、長生きしてね」。そう言って、老いた手を、しっかりとアクシュした。生きていることは、チカラになる。周りに、輝くオーラを与える。おばさんは、幸せそうだった。中々リッパな福祉の施設である。感心した。従兄の奥さんにあたる。従兄のミサ、墓参り、の後で、施設を訪ねて、お見舞いした。安心したよ。おばさんのように、老いても尚、輝いていたい、と思った。
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