2020年9月11日金曜日

突然、女性からの電話。家族を思い出す。ナン十年経っても、縁はつづく

県外の女性から、電話が、かかった。
「だれ、だろう?」
以前、トマが書いた記事を読んで、「ナミダが出た」という。(それで、懐かしく、電話をした)
電話を受けたトマにしてみれば、障子紙に、ポツンと、小さなアナをあけた感じ。向こうに、何者が居るか、わからない。「『こころの時代』を見ました?」「それが、ね。妹から電話があって、『見なさい』といわれたんだけど、見なかったのよ」
トマは、ちょっと、ガッカリ。
「あなたのお歳は、いくつ?」「トマさんと同じ歳です」「ご主人は、お元気?」「亡くなりました」
障子のアナが、開くか、どうか。聞いた。「ご主人、バラを愛していましたよ、ね」「ハイ、沢山のバラを育てていました」「ああ、やっぱり」。障子の穴は、破れて、この女性の家族と、ご主人のことが、わかった。
25年ほど前に、バラを育てるご主人の実話を書いた。彼は若い頃、病気となった。病室の隣に、バラ作り専門家がいて、その出会いが救いとなる。バラ作りに専念。『アンネのバラ』を手に入れて、育てた。
息子が通っていた中学校が、キレル者が居て、校舎の壁にパンチ、天井は棒で突く、荒れた学校だった。彼は、その中学校に、アンネのバラ園を作って、「愛と平和を皆さんの心に」と願った。思いは成功、中学生たちの心は、なごんだ。いつしか非行は消えた。
「いまでも、中学校にバラはありますか?」「ありますよ」。20年経っても、バラは咲き続ける。アンネのバラは、つぼみは朱色。開花するとオレンジ。もっと開くとピンクになる。
ご主人に会ったとき、彼は、トマに言った。「バラの剪定(せんてい)は、強い芽が3つ出ると、2つを摘んで、1つを残すのです。日本の社会と同じで、大輪(エリート)を大事にする。しかし、私は違いますよ。エリートではなく、その花の性格をよく表現したバラに高得点をつけたいのです」
電話の女性の声。「主人とは、同じ歳でした。20年前に亡くなりました。教会にもバラは咲いていますよ」
バラには、何とも言えぬ魅力がある。美しさと多彩、型も色々。香りは抜群。国際性もある。バラの香りは、愛と平和を呼びおこす。
★「いい、話を、聞いた。それを文章に、書く。人に、説法する考えは、ない。舌、足らずだよ。それで、よい」

1 件のコメント:

  1. がぶらってぃ2020年9月12日 22:10

    トマさんの日記と深く出会ってから、
    ばらの香りのロザリオで祈って参りました。
    聖なる偶然であるように思います。

    四半世紀来のふれあいが、今にまた
    繋がるご体験は、愛ですね。

    ばらを育てたご主人は、病を得て
    ばらに出会い、さらに荒れた中学校を
    鎮め清めていくという神さまの仕事を
    成し遂げられたのですね。

    ご主人は、病を聖なる知らせとして
    受けられたのだと理解しました。

    トマさんが、カトリックは「繋がりの宗教」
    とおっしゃっていたのがよくわかります。

    孤独に陥りそうになっていても、
    繋がりは必ずある。
    主はここにある。と、信じます。


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