海辺に面した「原城の宿」(写真)。ホームから、島原半島を一周する「日帰り旅行」に出かけた。20人余りが参加。ホーム⇒干拓道路⇒愛野⇒小浜温泉⇒加津佐⇒口の津⇒原城跡⇒「原城の宿」。宿では先ず、湯に入った。
★湯は広い。アワ立つ丸い湯がある。これは、ぬるめの湯。しばらく浸かった。体を慣らして、広い熱めの湯に変わった。左側に手すりが付いている。滑らないように慎重に歩く。黄色く丸い洗面器にタオルを入れて、湯に浸かった。気持ちが良い。ジーッと湯の熱さを身で感じた。
★体格がガッチリした爺さんが、洗面器を置いて、同じ場所から湯に入ってきた。爺さん、腹部まで浸かっている。しばらく時が経った。私が、上がる。もう出よう。シャンプーは使わない。シャワーで流して、タオルで拭く。洗面器でタオルをもんでいた。
★すると先き程の爺さんが、ツカ、ツカと傍に寄ってきた。「タオル、間違っていませんか」「え?タオルには、オレのは名前を書いているはずだ」。名前がない。完全に間違ってしまった。「ああ、ごめんなさい、間違いました」。なんともバツが悪かった。謝りに、あやまった。「すみません。ごめんなさい」。思わず手を出して爺さんの手をつかみ握手した。後で、考えた。あの爺さん、ふしぎに思っただろう。(なんで、握手なんか、したんだろう?)。老人の失敗、カンベンしてください。この失敗は誰にも言わなかった。
。★食事をしながら、ゆっくりとした時間を過ごし、カラオケでも楽しんだ。トマは、原城にちなんで「古城」を歌い、山内園長神父さんが「島育ち」を歌うと、瀧神父さんが「島ブルース」を歌った。料理は「うちわ貝」に乗った黄色いグラタンが出た。ホームを出る。しばし違った、世間の雰囲気に浸るのも、元の気分の転換になる。部屋の外は、眺めがよい。天草灘が広がり、雲仙岳が霞んでいた。
★潜伏キリシタン関連が世界遺産になったお陰で、ここ「有馬」にも脚光が浴びた。旗や看板が立ち並び、旅人を誘う。有馬キリシタン資料館を見学した。有馬の殿様、有馬晴信はキリシタンの洗礼を受けて、口の津、加津佐を中心に文化が栄えた。弟の純忠は大村の殿となり、大村領もキリシタンで繁栄した。
★私の記憶では、有馬あたりの農民が畑を耕していると、縦4cm程の太めの金の十字架を発見した。殿様・晴信がローマから戴いた貴重な品らしい。いまは島原城の資料館に展示されているが、あの金の十字架が有馬の資料館にあれば、もっと格があがるのに、なあと思った。
★有馬資料館⇒水なし本陣⇒島原ロード⇒かまぼこ屋⇒ホーム。朝、9時に出て、夕方4時半に帰った。小型バスに揺れて、見学で歩いて、立っている時も多く、やはり足に堪えた。でも、ゲンキなうちは、歩けるうちは、出かけよう、見物しよう、体験しよう、そう思う気持ちは変わらない。
克明な描写でとてもよくわかりました。特に温泉でタオルを間違えて指摘したお相手の手を握ってお詫びの握手をしたところは可笑しくて笑ってしまいました。現代の畑で約400年前にローマから賜った金の十字架が発見されたことはとても興味深いです。「原城の宿」は外観が城の石垣を模して造られているのですね。前にいる尾の長い動物はなんでしょうね。ライオンですか?
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