朝、一番に、散髪へ。店には客は居なかった。大きなカガミで自分のカオを改めて見る。髪の毛が白さを増している。主人が毛をチョキ、チョキと、気持ちよく切る。カガミに映ったカオから「小崎サン、若いですよ。人間は若くして死ぬ人も居る。人間には、その人、その人に寿命がある」「最近はテレビで、祖父が孫を殺したとか、少年が祖父母を殺したとか、裕福な家族なのに、娘が両親を殺害したとか、そんな話題が多いね」と暗い話になった。そのときアタマの中では、今朝、黙想の時に考えた「①この世、目に見えるものの他に、何か有るのでないか。②人間、臨終のときに、悪魔から、大きな誘惑で心は乱される。③資産ある家族内に、事件が度々起こっている」が脳裏に浮かんでいた。この後、弟子が、アタマに、シャンプーを付けて、ゴシ、ゴシと、こすった。洗い流す為に、広い、白い洗面台に前のめりになって、腰を浮かせた。「小崎サン、すごい、脚力あるんですね」「イヤ、イヤ、100m歩くの大変だよ」。人は見るところ、見ているんだな。言葉では語らなかったが、胸の内は、こうだった。「この世で、いちばん大事なのは、愛とイノチです。もう1つ有るんですね。信じること。何を信じるか、が問題です。見えるものだけに、振り回されるから、殺傷が起こるのでないか。見えないものを、本当に探し、求めるなら、波風は立たないだろう。真実を、真理を「信じること」によって、愛とイノチは完成されると思う。そう信じて、今日の一日を始めよう」。午前中、早いうちに聖コルベ館へ戻った。散髪の弟子さんが、メガネのネジを締めてくれた。メガネが、しっかり、したよ。「さあ、やるか」
ブラザーのエッセイ、楽しいです。すごく勇気、頂いています。
返信削除