2018年12月30日日曜日

退院の日のお恵み。一杯の水の奇跡。恵みは大河の広がりを持つ

今度の入院の予定は、2泊3日だった。それが、3倍の9日間になる。いかに苦痛が多かったか、日数を見ても分かる。
★退院の日の午後、ホームにフランス人のジャムさんが訪ねてきた。大きな喜びであった。湯江教会の「馬小屋」で写した。
★ジャムさんに出会うのは、これで3度目。最初は聖コルベ館で、酷暑に「一杯の冷たい水」を差し上げた。2度目は私がホームに入所したのを知って、2017年7月、訪ねて来た。そのとき「トマさんのことば」を進呈する。ジャムさんは、この小さな本が気に入ったらしく、フランス語で出版した。ジャムさんは日本に5年ほど会社勤務をしており、そのとき知り合った「りか」さんと結婚。2人の子供にも恵まれた。しかしフランスに帰国後、「りか」さんが難病を発症。ジャムさんは闘病と介護に全力を尽くした。「りか」さん、洗礼を受けて神に召された。「マリア・りか」さんの天国へ旅立ちで、ジャムさんは打撃を受けたが、彼の人生は大きく転換した。介護に尽くしていた時間を、教会のため、青少年育成のため活動するようになった。「トマさんのことば」が、フランス語版になったのも、その1つの働きだった。
★3度目。退院の日に出会う。退院でもあり、私にとっては大きな喜びとなった。早速、ジャムさんのフランス語版の費用の捻出方法や、読んだフランス人達の反応が聞きたかった。詳しく聞いて、やっと、その念願を果たされたと、私も満足した。退院の日は、いい日になった。
★この日の訪問は、ジャムさんにとって、もう1つの大きな出会いがホームであった。ホーム聖フランシスコ園で長年働く岩田夫妻と、その家族との計り知れないお恵みである。ぜひとも、それを記したい。ホームの応接室で、ジャムさんを囲んで、その人たちが再会し、笑いと、感謝と、喜びに湧いた。湯江教会の浜田神父さんと、ホームの瀧神父さんも同席し、喜んでくれた。
★2014年、ジャムさんは、ヴァチカンの大広場で、大群集の中に、日本語で話している2人のシスターを見つけた。近寄って、日本語で話し、顔見知りになる。ローマ留学中の(同じ会の)シスターたちだった。
★2015年、そのシスターの1人が、同じ会の、別のシスターを連れて、フランス・トゥールーズのジャムさんを訪ねた。連れられて、ジャムさんに会ったシスターは、ローマ留学を始めたシスターだった。そのシスターこそ、ホームの事務長、岩田夫妻の娘、シスター架耶乃(かやの)さんである。
★2017年、フランスのジャムさんは、ヨハネ・パウロ二世の列聖式に、どうしても参加したい心が燃え上がり、ヴァチカンへ。あの大広場で、何と、シスター架耶乃さんに出会った。計らいか、お恵みか、ふしぎな「きずな」が出きた。
★2017年9月、シスター架耶乃さんが、休暇で、長崎へ帰ってきた。ホームの私の部屋を訪ねてくれる。そのとき、ジャムさんの話をシスターから聞いて、おどろいた。「え?なんで、こんな『つながり』が出来ているの」
★2018年7月、事務長の岩田清光さんと、ホームで介護職員の妻・幸恵さんは、夫妻で休暇をとって、初めての海外旅行へ出かけた。そのとき親友の納富美紀さん(元・聖コルベ館勤務)も同行した。3人はローマに着いて、シスター架耶乃さんの充分な案内と、世話を受ける。ローマ、ヴァチカン、アシジ。そしてフランス・ルルドへ。ここで活躍したのが、ジャムさんだった。親切に、くまなく説明し、案内した。巡礼の恵みと、深い感動を倍加したのは、ジャムさんの活躍のおかげだった。その意味で、ホームの応接室に、皆さんが集って、喜びを爆発させて、和気あいあい、楽しみを分かち合ったのだった。
★この一連の流れを見て、トマは思う。「一杯の水を与えれば、恵みがある」。あの冷たい一杯の水が、細い川の流れから、広がって、ごらんなさい、皆さんを含めた大河になって行った。これぞ恵みじゃないですか。更に、トマは思うのです。このような出来事は、トマの、長ーがい人生にも、そう度々は起こらない。ただ、この1回しか起こらなかった。今は、神さまに、かんしゃ。

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