「楽天知命」。天を楽しみ、命を知る、と読みます。中国、古代の言葉でしょう。その真意が、いい。「天命を喜んで、うけ入れる」。いまの心境にピッタリです。
★書道は正式に習ったことがない。ホームに書道の先生が来られるので、練習程度でお世話になっている。
★秋が近づいて、町でも「文化祭」が行なわれる時期になった。去年は、「千客万来」を出したところ、「奨励賞」を貰った。書道の先生が言われる。「今年は、これ書いてみたら、どうですか」。渡された手本の半紙が、「楽天知命」とあった。
★何と読むのだろう?そして意味は?
★瞬間、「天命を喜んで、うけ入れる」の言葉に心は動いた。いま、自分の心境は、これでは、ないのか、と思った。修道士として生きて来たこと、そのように行動してきたこと、我が天命として、迷うことなく、うけ入れる。しかも喜んでうけ入れる。それが自分の人生の幸せという生き方だ。まさに、その心境さを、この四つの文字を書いて心に留めたいと思う。
★原爆で突然、前触れも無く、孤児になった少年は、これから、どう生きるべきか。迷った。課題は山積する。家もなければ、銭もない。被爆者は世間から冷たい目で見られている。どう生きれば、いいのか。雨が降る中、びしょぬれの少年の足は、迷うことなく無言でポーランド人がいる聖母の騎士に向かっていた。
★玄関で、迎えてくれたのは、ゼノ修道士だった。「お姉さん、どう、しました?」。母が若く見えたので、ゼノさんは「お姉さん」と呼んだ。「原爆で、死にました」「かわいそうの、ヒト」。ゼノさんの青い目から涙がこぼれた。ゼノさんは、少年を応接間に待たせて、奥の部屋に消えて、院長のミロハナ神父を連れてきた。ミロハナ神父は万遍の笑みを浮かべて、濡れた少年をしっかりと抱きしめた。そのとき1人の少年は、「天命を喜んで、うけ入れた」のだった。そして、長い年月が経って、今が、ある。
★人生とは、自分の天命を、喜んで、うけ入れることだ。古代中国人は、人生を読み、心中を読んだ。人間という者を知っていた。
★先日、送られてきたメロンが、少しづつ昼食に出た。赤みがかったメロンだった。
★車椅子の女性たちが、ヒマワリの張り紙を作った。女性職員さんから、詰所に張りたいから、何か、いい言葉を書いて下さい、と頼まれた。そうは簡単に書けないよ。幾つか考えが浮かんだが、次の言葉を選んだ。「八月は祈りの月、先祖と、平和と、わが身の幸せを」。オマケに、「汗にまけるな」
★ヒマワリは、夏の暑さにも負けず、太陽に向かって、いつも顔をむけているからね。
ゼノさんに感謝 ミロハナさんに感謝
返信削除トマさん感謝!ありがとうございます。