6月の半ば、地元の小学校で、小1から小6年まで、287人に話す機会があった。先生が前もって、「講話の題は何ですか?」と聞いた。「たすける心、にげない心、ゆるす心」と伝えた。私の原点は、原爆の日。小6の少年を助けなかった。そこから「助けなさい」。女子中学生を助けてタンカに乗せて運んだが、飛行機が再び来たので、タンカを置き去りにして逃げた。助けていたけれども、困難が来ると逃げる。「困難が来ても、逃げない心」を持ちなさい。
★次は問題の「ゆるす心」です。原爆の丘で、私を叩いた先輩工員が、重症を負って苦しんでいた。偶然に出会った。私はその時に思った。「いい気味だ。ざまーみろ。イジメた人間は、そう、なっても、いいんだ」。私は許さず、その場を去った。これが現実。この事実を、子供たちに、どう話せばいいのか。実は悩んだ。ゆるす心が一番むずかしい。
★日常起こる現実で、殺人された家族や、傷つけられた本人の心のキズは重く、そう簡単に相手を許すことが出来るか、と言っても、とても、とても、許るせるものではない。それが世間の常識だ。
★しかし、傷つけられたから仕返しする。やられたら、やり返す、それが普通の心境だが、それが続けば、平和は来るだろうか。子供に説明するのに、むずかしい。ひそかに悩んだ。話を、どう、持っていけば、いいか。
★私は言った。「イジメは、ダメだよ」。ゆるす心は、どうか?寄寓にも、10年後、あのタンカの女子中学生に、出会うことになる。10年だから、立派な娘さんになっていた。オレは助けず、放棄して逃げだ人だ。彼女は、あの時のことを良く覚えていた。「しかし、娘さんは、私を、許してくれたのです」と、小学生に語った。相手を、ゆるす心、生活の中で、許す心は大切です、と強調した。
★私の人生の原点は、この3つにある。①助ける心、②困難が来ても逃げない心、③許す心。だが、人間は真に「助けることが出来るか」「逃げないことが可能か」。人間は弱い。とても出来ない。しかし出来た人がいた。それがコルベ神父だった。そこまで子供たちには話せない。主は言われる。「汝、敵を、愛し、敵のために、祈れ」
平和の原点は「助ける心」「逃げない心」「許す心」。この許しが一番むずかしい。皆さんの心に、この3つの花が開き、広がるならば、必ず世界は、もっと平和になるでしょう。
★『トマさんのことば』。お礼文⑧神奈川県、信子さん。「トマさんのことば」をお送りくださり、ありがとうございました。とても素敵な御本で、一頁ごとの言葉と写真がすーっと心にしみこんできます。小崎さまが歩んでこられた年月、お母様やコルベ神父様、たくさんの方々が生きてこられた年月、そして野々村さん、塩沢さんがいらしたこと、全てが神様からずっとつながっているのだと感じました。出会いは本当に神様のお恵みと思います」
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