古いスケッチ帳を開いた。2001年8月とある。当時のメモ帳を見ると、夏休みで、甲府から中仙道(なか・せん・どう)の旅に出た。懐かしい。忘れない旅だった。めったに、あの道を通ることはない。江戸時代の裏道を行ったわけだ。裏道は、1本の細い流れに過ぎなかった。
★木曽路の「奈良井宿」で泊まる。ここで「マリア地蔵」なるものを見た。高さ60cm。十字架にカギがあり、幼児の左手に一流れのジュズがあった。手にも蓮華の先が十字状。隠れキリシタンの観音像か。興味深くスケッチした。こんな山奥で、マリア観音に似た像に会うなんて、思ってもみなかった。どこにでも人の思想、信仰は入り込む。
★翌日は、「馬籠宿」に泊まった。少し上に、島崎藤村の生家、館と詩がある。宿の傍に赤いポストがあり、小さな郵便局もあった。なんと言っても、水車が目を惹く。「みはぎのが美しく咲いていた」「山の清流で、無心に水車がまわる」と添え書きしている。「もち焼せんべい」に、ワラジもあった。坂道が、なんとも言えぬ風情がある。「こんな素適な所があるんだな」。東海道ばかり通って、江戸へ行ちゃダメだよ、なんて思った。
★中仙道は「多治見」に出る。多治見の修道院。絵になる建物だった。院長はポーランド人の神父。他の神父さんが案内してくれた。修道院の入口の上を見ると、鐘が上に9つ。下に3つ。面白い並びをしていた。ここは葡萄酒の造りが有名で、修道士がワインの制作を担当している。ブドウ畑にも入った。水墨画でブドウを描いているので、近くでブドウを観察するのは興味深々だった。
★ちょっとしたメモやスケッチがあれば、思い出は過去として記憶に残る。寄る歳なみの人を見れば、言っている。「足腰、しっかり、しているうちに、旅に出て、いい思い出をイッパイつくりなさい。それが幸せです」
こんばんは✨
返信削除宿場町に興味があるので今年は馬籠や奈良井宿に丁度行こうと思っていたのでマリア観音見つけてみようと思います♪
多治見教会1度行きましたが外国に行った気分になりました。。素敵な雰囲気ですね⛪