温泉宿で、早朝、1番風呂に入る。先客が居た。頭の白い、お爺さん。背中に向かって、勢いよく、アイサツした。返事は、返る。いっしょに、湯につかった。肩と、肩の間隔は、1mぐらい。自分の性格から、語らずには、おれない。が、少々、迷っていた。考えているうちに、爺さんは上がって、カラダを洗い、また入ってきた。それまで、じっとお湯のなか。沈黙が、しばらくつづいたが、声をかけた。今朝の天気、雨だった。度々、この宿に来るのか?埼玉の人だった。息子が、山口に居る。息子の車で回っている。話は、山口の温泉に進展した。そこで、「生まれは、昭和何年ですか?」「20年の1月です」「69歳ですな」「ええ、まあ」。こちらの歳は「長崎といえば、原爆で、17歳だった」「昨日、資料館、見ました」。会話は和やかに進んだ。お爺さんは上がっていった。露天風呂に入る。雨が降っていた。脱衣所にあがると、お爺さんは、まだ肌着をつけていた。ここで、もう1問、聞いた。「九州の人の、イメージって、ありますか」。おおらか、と言うか、開放的と言うか、そんな表現を使った。ここで別れたが、朝食は、共同の座敷だった。1人で食べていると、お爺さんの家族は、幼児の女の子を含めて、賑やかだった。爺さんが、そばへ、わざわざ寄ってきて、声をかけてくれた。「お車は?」「ええ、迎えに来ます」。そで、すりあうも、何かの、縁。そんな気持ちの朝であった。
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