長崎のカトリック修道士。17歳の時、原爆を受けて、この道に入る。 生かされて来た数々の恵みの中で、今年の1月、最大の試練「すい臓がん」を告知された。 「みむねの・ままに」。孤独と苦痛に耐え得るチカラを日々、祈る。 毎日、日記を書き続けて13年。今、長崎市の病院・ホスピス病棟で暮らす。 追記 2021年4月15日 午後6時48分 帰天されました。享年93歳
2011年12月17日土曜日
苦しみがあっても幸せになろう。上手なテクニック
若い女性が1人でバッグをさげてやってきた。コルベ神父のビデオを見せながら、説明した。「聖人といわれるコルベ神父にも、沢山の苦しみがあったのですよ。ここの土地の問題もあったし、ポーランドから来た修道士は挫折して帰るし、本人自身が肺病の病気であったし、食べない、眠らない、事業の困難など、苦しみがイッパイだった。それでも幸福だったのです。マリアさまに完全に結ばれていたからです」。すると女性が「実は・・・」と語りだした。「昨年の夏に洗礼を受けました。受けたときは、大きな慰めもあった。しかし今はツライ毎日です。職場で、イヤなことが沢山あって、悩んでいます」と涙ぐんだ。ああ、かわいそう。世間の人は苦しんでいる、悩んでいる。人間関係がうまく行かない。他人から冷たい視線で見られている。祈りもできない。心は乾いている。そう簡単に、この女性を慰めることができるだろうか。「何か、いい思い出はないですか。小さな喜び、小さな発見、ちょっと注意をそらすだけで、あるかも知れません。風の向きも変わるやも知れません」。女性は悲しそうに、じーっと、私の目を見ていた。
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