2018年1月24日水曜日

故あって、今、自著を読み直している。いい本だよ

野々村哲さんと塩沢美樹さんが編集をしている、試作本の白黒・写真集「昭和の修道士たち」が送られて来た。今、その写真に説明文を付けている。内容は4部に分かれていて、「ポーランド・ニエポカラヌフ修道院」の項目もある。昭和46年・1971年に撮った古い写真である。
★説明文を書くために、久しぶりに自著の「身代わりの愛」を読んだ。平成6年・1994年、聖コルベの生誕百周年に書かれた本で、もう20年以上前になる。
★この本を読んで、自分ながら感心した。よくぞ、これだけの記事を書いたと思う。最初、ニエポカラヌフを訪れた時、1971年、案内してくれたのは、かつては長崎・聖母の騎士に居たこともある「ヘンリコ修道士」さんであった。それから22年後、1993年に5度目にニエポカラヌフを訪問した時、ヘンリコ修道士は病床に横たわり、反応はなかった。院長神父が「言葉を出すことが出来ません」。私は思い切って、「ヘンリコさん」と声をかけた。「オイチェ(神父)コルベ、長崎のこと、思い出して下さい。長崎の兄弟、みんな祈っています」。すると目を閉じていたヘンリコさんが、はっきりとした声で言った。「カミサマ二・・・カミサマ二・・・」。2回、3回でなく、続けて彼は正確な声で言った。「サヨナラ・・・」。私の目には涙があふれた。
★ポーランドで生まれて、若い時代に遠い国、日本へ宣教に出かけて、戦争中、苦労した。健康を害して戦後ポーランドへ帰り、これまで修道士の務めを果たして、老いた。長崎へ1度、里帰りした思い出もある。83歳の人生であった。その人生を終わるに当たって、彼が口ずさんだ言葉は、日本語の「神サマ二(イキマス)・・・サヨナラ」だった。
★この本は、いいこと、書いてあるじゃ、ないか。改めて、思い直した次第です。

1 件のコメント:

  1. マリア・フランチェスカ2018年1月25日 0:36

    ヘリンコ修道士様の為に祈ります。
    また新たな気持ちで読ませて頂きます!

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