東京近郊から1人の女性が、お見舞い、面会に来た。病院は、現在、厳しい面会禁止。(受付で、どういうやり取りがあったか、知らないが)、トマは車椅子で、看護師さんに押されて、人通りの少ない玄関へ。(その時の写真)。屋外に見舞いの女性と案内の女性職員さん。
2、3年前に、水浦神父さんの案内で、ホームに訪ねてきた女性だった。以来、時々「とらや」のヨウカンが送られてきた。
外の女性は、両手を振り、廊下のトマは合掌する。マスクと二重の扉にさえぎられて、声は聞けない。
案内の職員さんが、小さい紙袋を言付かって、渡しに来る。それだけで車椅子は廻された。両手を振って、別れた。わざわざ来てくれるなんて、深く、熱心な愛情を感じた。ありがたい。温かい、こころが伝わってくる。
★20分後、公衆電話から女性の声。「朝、6時に東京駅を新幹線で出て、午後2時に長崎駅に着いた。直ぐ聖母の騎士へ。水浦神父さんに会い、ひとりルルドへ、トマさんがテレビに出ていた思いを新たに、マリアさまに祈った」
(時計を見ると4時)「今日、どうするの?」「疲れたから、ホテルに泊まります」
★この女性は、中国人。祖母は、上海のカトリック天主堂で洗礼をうけた熱心な信者。その影響で、自分もカトリックになった。東京のカトリック教会に通い、神の愛に生きるチカラを祈っている。
★今夜の夜勤は、小柄で、丸顔の、気合いの入った看護師さんだった。「日記、見たよ。私が撮った写真、載っていたね」「撮り写りが良かったからね」。夜8時、その看護師さんが寝る前の薬を持ってくる。8時半には眠りについた。12時半頃、痛みで、目が覚める。左側の横腹から、中央へ、ジーワッと、痛みが広がる。日中は、周囲の雑音で気がまぎれる。夜中には、腹部に神経が集中する。だから痛みを強く意識する。おなかが、大きく、ふくらみ、膨張して苦しい。(ヤバイぞ、これなら早く逝くかも?)
★ちょうど、その時、あの看護師さんが見回りに来た。「ハラが痛い。おなかが、苦しい」「先生に診てもらおうか」(夜中の1時だよ)「だいじょうぶ」と返事。「ムリは禁物。楽になった方がいい」。しばらくて、「『ざやく』をしようか」。トマの頭の中では、『ざやく』も『浣腸やく』も一緒。こんがらがっている。「下痢、するでしょ」。ヘンに思いながら看護師さんは『ざやく』を入れた。やっと楽になった。2時間程、眠った。ガスも出る。
★朝、6時。あの看護師さんから「おはよう」と、熱いガーゼ・タオルを3枚渡された。起きて、おしめを外す。自分で、周辺を拭き、更に手持ちのウエット・タオルで拭う。「今夜の出来事、日記に書いて、よかね」「バン、バン、書きなさい」「えー、書いて、よかとか」。すると看護師さん、「マゴ、マゴせんと、早く歯を磨きなさい。ご聖体が、来るよ」
★定刻、白い姿のシスターが『かんてら』を下げて、鈴を鳴らし、祭服姿の病院司祭がご聖体器を奉持して、にこやかに「キリストのからだ」「アーメン」。今日の1日が、始まる。多分、ハラの中でも、悪と、善のイクサが始まっているかも。
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