2019年5月29日水曜日

東京の恩人、6年前の写真。多彩なご主人。娘さんが面会に来た

古い日記を開いてみた。2013年7月に、こんな日記を書いる。「夏休みで東京へ。5泊6日の旅行です。東京へ着いたら、真っ先に隅田川近くの木島さんご夫妻のお宅を訪ねた」。これが、その時の写真です。
★両脇が、木島さんご夫妻。武次さん95歳、美恵子さん93歳。奥さんの隣が娘の和子さん。子供は他に男の子が何人か居る。この家族の信仰の歴史を語れば、お父さんの武次さんを除いて、妻と子供さん達は、皆、カトリックの洗礼を受けて、教会で祈っていた。
★隅田川といえば、夏の豪華な花火が有名です。木島さんのお宅の屋上からは、見事な花火が毎年、見物できる。ある年の夏、息子が、神父さんや神学生たちを連れてきて、木島さんの屋上で花火見物を行なった。夜空をいろどる花火に満足した神父さんが言った。「今年のザビエル祭は受洗礼者が居ませんから、お父さん、どうですか」。するとお父さん、即座に答えた。「じゃあ、なりましょう」。妻の美恵子さんも子供たちも大いに喜んだ。実は、武次さんも還暦を過ぎた頃から、そろそろ受けようか、と考えていた。
★その年の聖ザビエルの祝日に、武次さんは、四谷の聖イグナチオ教会で、30数人の司祭が捧げるミサ中に洗礼の恵みを得た。もちろん洗礼名は、聖フランシスコ・ザビエル。61歳だった。新しい人生の出発が始まる。
★ザビエルの名前を受けたからには、ザビエルの足跡を辿ろうと、「オラショの旅」で長崎へ。そこで出会ったのが小崎修道士だった。以来、トマは木島さんのご家族と親交を重ねてきた。東京での「日本26聖人」の映画・上映会ではお世話になった。
★木島さんは精鋼スプリング会社の経営者です。特に木島社長に心を惹かれるのは、多芸多才、人を喜ばせるいくつもの特技を持っていたことです。手品に、江戸独楽(コマ)の曲芸、花火の打ち上げ、ミニ機関車の製作と運転、レールの上を、実際に人を乗せて、機関車を走らせる。アマチュア無線も行なった。台湾の高砂族とも交流をつづけた。その活躍に魅せられた。イグナチオ教会でも、信頼される存在感のある信徒になった。
★トマは、木島さんのご家族と知り合って、上京の度に、お宅に宿泊したり、食事処でご馳走になったり、親ぼくを重ねた。武次さんの洗礼が61歳からだからご縁は35年近くつづく。このご恩は、トマ修道士は決して忘れない。
★この写真を写した時から、はや6年が経過している。武次さんに、「長生きの秘訣は何ですか」と問うと、「クチよりも、カラダを動かすこと、不言実行だよ」と答えた。夫妻ともにお元気であられたのに、この年に、奥さんの美恵子さんが亡くなる。2年後、武次さんも亡くなった。
★突然、写真に写っている娘さんの「和子さん」から、今年になって連絡があり、「長崎へ、ホームへ面会に行きます」と電話があった。「え、いらっしゃるの。会いたいね。待っていますよ」
★そして、懐かしい和子さんと、弟さんと、他に知人の3人で、ホームに姿を現わした。

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