ホームにも、月下美人があるという。これが、そう、と植木鉢に、ひょろ、ひょろ伸びた枝の先に、なんと表現したらいいか、両端が小さく、中ほどが太いものが、ぶらさがっていた。「今夜、咲くでしょう、1晩だけ、ね」。夜のホームは全くの静寂。7時半、見に行った。「ああ、咲き始めている」「もう少したてば、もっと開くよ」。8時半、撮った月下美人が、これです。翌朝は、しおれていた。1夜限りの貴重な花だった。
★数年まえ、1人の修道士がここのホームに入った。見舞いに伺ったとき、ちょうど食事中だった。お年寄りたちが男女入りまじって、静かに食事をしていた。そのとき思った本音。(書いても、いいのかな)「とても、ここでは、生活しきらん」。修道士が、女性と家族的に食事をするのに、なんとなく抵抗があった。
★そんなにイヤな気がしていたホームにお世話になって、はや10ヶ月が経過した。食堂での食事も慣れて、全く気にならない。食欲もある。そして今日は、昼食から、食堂の席替えがあって、1つテーブルに、6人。たまには女性とも、と5人の女性と食事を共にする席を希望した。みな、心の知れた女性たち。会話もできて、結構、楽しい。食事の前後には、十字架の印もする。カトリック信者も居れば、他の宗教の人もいる。
★数年まえは、あれほど抵抗があったのに、なぜ、このような運命になるのか。小崎登明、こういう生き方も、いいではないか。反対していたのに、その中に落ち込む。それが、さまざまな、人生やな、と思う。絶対、イヤや、と思っていたのに、そのイヤな状態に導かれる。人生とは、そういうものやと観念する次第です。後は、皆さんと楽しく、食事を共にして、喜び助け合うことにある。そして誰もが望むのが、健康で、長生きすることでしょう。ホームは皆さん、家族です。ここが家です。
★月下美人に戻るが、1夜だけ、誰にも知られないうちに、「パァーッ」と咲く花。夜が明けると、豪華な花の想い、匂いを感じさせなくなる月下美人。そんな人生も、あるような気がする。
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