★「忙しい」と、姿を隠した神父さんが、後になって姿を現わした。神父さんが言った。「青年の頃、ゼノ修道士が、貧しい人を助ける話を読んで感激した。共産時代、宗教を抜きにして、ゼノさんの福祉の心はチェコにも伝えられた。私は、ゼノ修道士の心に感動して、この修道会に入った。68歳になる」。こんな場所で、ゼノの話を聞こうとは思わなかった。さすが、ゼノさんだ。
★トマが、「ニッポン、長崎、コルベ、ゼノ」と前置きして、「ゼノさんと生活を共にした。私は75歳」と言うと、神父さんは、ハゲ頭を両手で覆って、「おお、兄貴だ、尊敬する、ゼノさんと生活したのか、うらやましい」と、しっかりと握手を求めた。
★更に、神父の「おまけ」がある。「これはジョークだよ。アメリカ人は、日本人にタバコの箱を渡した。箱には何も入っていなかった。日本人は、アメリカ人にオルゴールの機械を入れて返した。日本人は、アメリカ人より素晴らしい技術を持っている。アメリカ人はカラの箱だ。日本人には立派な中身がある。私は日本人が好きだ。尊敬するよ」と、また握手を求めるのだった。なぜ、アメリカ人を低く評するのか、わからない。このチェコの出会いは、トマの記憶に残った。
★なぜ、今日は、このチェコの話を書いたのか。実は、当時は、チェコの通貨は「コルナ・冠・コロナ」だった。旅のノートに記してある。バス・電車賃・90分で、12コルナ。タクシー初乗り、22コルナ。ホテルは、650コルナと表記。公務員、学校教師の給料は、月に、1万5千コルナだと、日本人の会社員が教えてくれた。彼の給料は、いくら?確かに、高給だった。
コロナは、2020年の今この瞬間、
返信削除世界から恐れられ、疎まれ、嫌われ、
避けようとされていますが、当時のチェコでは、
大事な通貨の価値だったのですね。
コルナという名称は、何も悪くありません。
今は脚色されています。
同様の事態が、どこでも起こりうることを
忘れないように意識しておきたいと思います。
世界に繋がるトマさんの翼は、多くの学びと
痕跡を残して、広がっていますね。
プラハの聖ヤコブ教会は、荘厳の極みです。
天井のフレスコ画からは、伝えようとする
物語の強さを感じます。物語という言葉が
相応しくなければ、祈りの強さというのでしょうか。
先便コメントがうまく反映されなかったようですので、
まずはここまでお送りします。