「やめて、くれよ。相棒は、来ないよ」
いつもの場所で、待っている。
「さびしかろう」
相手が、ウマク来たら、撮ってよろうと、構える目。
「祈りが、できん、ばい」
小さく、スズメが、見えますか。
手前が、自室。カーテンを開けて、戸を少し開いている。ホームの屋根に、いつも同じ場所に、停まるのです。
「かわいい、ね」
ホームの生活は、単調だからね。
祈りを、また、つづけた。
★1枚の写真。「94.10.18」の日にちが入っている。「登明メモ」で探した。その日に、次の記載がある。
「霊能者・冝保愛子さんが、19人の女性と(聖コルベ記念館へ)来た。『先生』と呼ばれている。確かに、テレビで、何回も見たことのある女性だ。(70年代から90年代に、よくテレビに出ていた)
★『聖コルベの部屋』(写真)に案内した。『餓死の地下室も、丁度、この部屋ぐらいです』。冝保さん、『そう、そう』と、うなずく。『私も行きました』。トマが『椅子にお座わり下さい』と勧めた。普通の人は興味深く座るのに、冝保さんは、座らない。ジーッと、粗末な木製の椅子を眺めて、黙り、その場に跪き、しっかりと椅子を抱きしめた。周りには見守る女性群がいる。冝保さんは、アタマを垂れて、祈るかのように沈黙がつづいた。
★すると、突然、部屋の電灯が、パッと消えた。『アッ』と驚きの声があがる。停電なんか全くないのに、不思議だった。これにはトマも、(霊能の仕業か?)と、さすがに驚いた。電灯は直ぐに点いた。皆、ホッとする。電灯がつくと、冝保さんは立ち上がり、ひと言いった。『私たちは、いろんな代わりは出来ますけど、イノチの代わりは出来ませんね』
★トマは、『この部屋に、霊がうごめいている』と言うのではないか、その発言を待った。しかし何の反応も示さなかった。というのが、この土地には、霊がうごめいているハズである。この土地は、もともと墓地であった。それを知らずに、コルベ神父は土地を購入した。修道院を建てる時、たくさんの骨が出ている。トマは、(冝保さんは、本当に霊能者か)と疑った。
★確かに修道院では、霊を慰めるために、遺骨を集めて、聖ヨゼフのご像の横に、慰霊碑を建てた。そして、もう何十年も、毎水曜日に、全部の祈りが終わった後で、修道者全員が、ご像と碑の場所に集まって、「無縁者のための祈り」を捧げている。(これら、修道者の祈りが、効いているのかな)と、トマは内心、考えた。冝保さんは、「コルベ神父さまの本も読みました」と好意を示して、住所と名前をサインして、去った。1週間ほどして、「もう1度、見せて下さい」と再度訪れた熱心さに、トマは敬服した。「ぎぼ・あいこ」は、忘れられない人になった。
★修道院の夕食時に、冝保さんが来たこと、電気が消えたことを話題に出した。すると印刷部の修道士が、『間違えて、一時、スイッチを切って、停電させた』と語った。
★その後、ある年の正月休みに、温かい所で過ごしたいと、沖縄へ飛んだ。(長崎ー沖縄、直行便がある)。国際通りの本屋に入った所、目の前に冝保愛子さんの本が何冊も並べられていた。冝保さんは、沖縄出身だと聞いていた。また既に亡くなられたも聞いた。それでも現地では人気があった。
★きょうは、写真を見て、あの「電気が消えたこと」、「イノチの代わりは出来ない」など思い出す日となった。
青空の見本のような写真を共有してくださりありがとうございます。
返信削除マリアさまの色を全身に浴びる思いです。
スズメの声は、祈りの妨げになりましたか。
スズメはスズメなりに、一緒に詠いたかったのかもしれません。
トマさんカメラの優しい視線は、伝わっていると思います。
力を込めて飛び立つ姿も見せてくれたのですね。
画像として残せるように動いてくれたスズメにも感謝です。
スズメの躍動で、がぶらってぃの気持ちもふわっと勢いがつきます。
宜保愛子さんが聖コルベの部屋を訪問されていたのは、知りませんでした。
聖母の騎士で宜保さんが感じ取っておられたことが、やはり繋がりのもたらすもの
であったように思います。祈りは伝わっていると思います(うまく表現できず
オカルト的な書き方になっていましたら、ごめんなさい)。
イノチの繋がりは、血縁だけではありませんね。
トマさんの公開くださる思い出から、考察の枝が広がることに
感謝いたします。