2019年4月11日木曜日

ゲラルドさん。親しみ深い修道士。命日だった。安息祈る

ゲラルド修道士さんの命日。帰天して33年になる。聖母の騎士のポーランド人修道士。コルベ神父の時代に長崎へ来た。背が高く、足のコンパスが長く、背中を折るようにして、急な坂道を上っていた。昭和の初めから、昭和を終わるまで、聖母の騎士誌の印刷のため、全力を尽くした修道士だった。
★私は、小神学校に入った頃、活字や印刷が好きだったので、よく聖母の騎士の印刷所へ見学に行った。ゲラルドさんと仲良しになり、彼の仕事ぶりを観察した。活字の組版や、カットの絵、写真を鉛版にしたり、印刷機、折り機、裁断機の傍に立って、何万部の騎士誌を作り続けた。多くは語らず、黙々と働く修道士だった。
★ゲラルドさんは、よく「およしなさい」の言葉を使った。長崎に来て、52年も働いている。その間、1度もポーランドへ帰国していない。帰国への誘いは度々あったが、いつも「およしなさい」と、こばんだ。なぜだったのか、いまだに分からない。修道誓願の金祝を迎えたとき、皆さんがお祝いしようとすると、この時も「およしなさい」
★朝・昼・晩の御告げの鐘を、鳴らすのが彼の務めだった。昼間、忙しく働いても、夜には、受付の修道士と交代し、自分が受付を好んで務めて、来客に優しく接していた。「ゲラルドさん」「ゲラルドさん」と親しまれた。そんな思い出が次々に湧いてくる。カメラを彼に向けると、両手で顔を隠して「およしなさい」。その姿が、なんとも、かわいい。従って彼の写真は、そんなに多くない。
★ゲラルドさんは生き物を愛する修道士だった。鳥を愛し、虫を愛し、生物をいたわる。中でも、特に好きなのが、「犬」だった。それも子犬ではなく、セパード系の雑種を何代にもわたって飼ってきた。犬と共に生活し、ポーランド語で話かける。ゲラルドさんの犬は、ポーランド語しか解しない。ゲラルドさんの動物愛は、彼の少年時代からと聞いた。
★コルベ神父の時代に、コルベ神父の部屋に紛れ込んだ犬を、ゲラルド修道士に任せて、その犬が何匹もの犬を出産させた逸話もある。「ゲラルドさんが、旅行に出かけないのも、犬のせいだ」との噂もあった。
★昼食の時、食卓で、瀧神父さんと、大野神父さんと、トマと、ゲラルドさんの思い出ばなしを語り合い、彼の冥福を祈った。昭和の、ポーランド人修道士が居た頃が、なんとなく楽しい。愉快な思いになる。

2 件のコメント:

  1. ガラルド修道士様の永遠の安息を祈ります。また、聖母の騎士の修道院のお一人お一人をこれからも守ってくださいますようにお願いいたします。

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  2. マリア・フランチェスカ2019年4月12日 12:14

    お優しいゲラルド修道士様の為にお祈りさせて頂きました。
    聖母の騎士誌今月号に
    巻頭のコルベ神父様のパネル展の記事を嬉しく拝読させて頂きました。

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