ホームの玄関に飾られた「七夕の願い事」。何と書かれているか覗いてみた。「大谷、二刀流で、気張れ、チェスト」「聖書は、人の涙に、あふれています」「これ以上、年を取りたくないです。病気をしたくない」「痛いの、痛いの、飛んで、いけ」「七夕や、遠くに去りし、人憶(おも)う」「一日一日を大切に、みんなが幸せになるように」「これからも、みんなに、可愛がってもらえますように」
★女性が言った。「未来をみる。過去を振り返る。それは幸せに導かない。今だけを100%生きること、それが幸せ。今を見つめる現実。苦しみや、辛さの中で、『ありがとう』と感謝の言葉をつぶやいて、ごらん。自分が楽になる。自分よりも、もっと苦しんでいる人がいる」
★今朝、朝食のとき、隣の席の瀧神父さんが言った。「ミサで、お父さん、お母さんのため、祈ったからね」「ああ、そうだ、『9』の日だね。ありがとう」。8月9日が母の被爆死の日。9は、月・命日。瀧神父さんは、この日には、トマの両親のための意向でミサを祈る、と言ってくださっている。身近に司祭が居られるのは有り難い。
★隣の席の入江さんが、「昨日、昼下がり、瀧神父さんの部屋を訪ねると、ベッドに横になっていて(午睡の時間)、手にはロザリオがあった。感心したよ。さすが司祭だね」と言いつつ、拍手した。瀧神父さんは答えた。「寝たきりになった時の練習だよ」
★朝食の後、体操が終わって、入浴した。入江さんも一緒だった。入江さんも歳をとった。8月1日が誕生日で、94歳になる。よく頑張っているよ。もう、トマの背中は流さない。
★廊下に出ると、自室の壁に「田川幸一」と名前が貼ってある。(簡単で、あっさりして、いい名前やなァ)と正直、思う。両親が、幸いあれ、と思って付けたのだろうが、[幸」から、1本、一を抜けば、「辛」(ツライ)となる。み旨のままに、幸もツライも受け止めて、生きていきたいと、七夕の飾りに思う。