「深夜の赤変」って何ですか。あんまり良い話じゃありません。夜中に、排尿に起きた。「赤・変」とは、血尿のことです。真っ赤な尿が、ドンドン出た。「ああ、また、か」が、最初の一句。時計を見ると、深夜の3時だった。寝る前までは、平常だったのに、なぜ? 赤が出る理由が分からない。もう赤い尿を見ると、「疲れたよ」。あまり動揺はなかったが、しばらくベッドに腰かけて、首をうなだれ、瞑目して、動かなかった。「深い眠りに入って、何もかも忘れたい」。つぶやいた。ガンの発症なのか。脳裏には、いろんな苦しい思いが、よぎる。腎臓のどこかに、炎症があるのか。とにかく真っ赤な尿が出たのは事実だった。「苦労するなァ、トマは」。自分を慰めてやりたかった。十字架は、また迫ってくる。今夜は、新たな苦難の始まりにも思えた。「生きていくのも、苦労するな」。また、深くイキをした。77歳、喜寿までは健康だったなァ。78歳から山あり、谷ありの道を歩いた。今年はタツ年で、めぐりめぐって自分の年になる。今年は、いいことあるぞ、と期待した。それが4度の入院。そして、まだ、まだ、新しい苦難が始まるのか。からだ全体が、老いを感じる。「生きているのは、うれしいなァ」「生きておれば、笑えるからなァ」「出会いもあるし、祈りも出来る。みんなで、声を大きく祈るのは、活力が並々と満ちてくる」「苦労があっても、生きているのは、たのしい」「この柔らかな皮膚、見える目、やっぱり嬉しい」。朝、5時に起きて、みんなと一緒に祈る。朝食のあと、部屋を片づけ、泌尿器科の病院へ。「先生、すみません。昨夜、血尿したので、びっくりして、来ました」
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