2017年5月7日日曜日

1枚のハガキに教えられる。原点、見つめて生きる

ホームの生活で、一番楽しいのが面会であり、お便りです。1枚の写真ハガキが届いた。すさまじいヨットに乗った男の写真。裏に6行の文字が並んでいる。覚えているよ、この人。
★「2012年9月24日に、熊本のヨット・レースの帰りに、聖母の騎士(聖コルベ館)に立ち寄り、お話ししました」
★早速、その日の日記を調べてみた。すると、ありました。5年経過している。いま読むと、なかなか良いことが書かれている。今日は、なつかしく思い、それを取り上げた。
★「山口県から来ました。熊本でのレース、ディンギ(小さな舟・4.23m)の九州競技大会があってね。参加艇は17隻。クラスが2つに分かれて、9艇で争ったラジアル・クラスで優勝した」。海の男だった。(聖コルベ館の庭で、写真を撮る。黒塗りの車の屋根にヨット、そして男性)
★「母親が、騎士誌の愛読者で、自分も愛読するようになった。小崎さんの記事を真っ先に読む」と誉めた。母親は幼児洗礼。母の父は、ビリヨン神父から教えられた。根っからのカトリック。
★「母の信仰を思うと、理屈じゃない。そのまま信じている。カトリックより他に知らない。90歳で亡くなった」
★「小崎さんも自分の体験じゃないですか。苦しみが生きている。戦うしか、ない。不安や自信がなくなったら、その時、任せる。信仰がある。恐れることは、ない」と、海で闘う男の闘志を連想させる。
★「自分の歴史を考えると、どう考えても、自分にとって奇跡みたいな恵みがある。感じられるので、強められる。守ってください、導いてください、ですよ」
★「小崎さんも病気と戦っている。騎士誌を読んで分かる。特に最近の記事は、すごい。それでも信じている。試されている。小崎さんに一目だけでも会いたいと来ました」
★「舟に乗り始めたのは、のんびり、したかった。風に乗って、いい気持ち。だが現実は厳しい海。32年になる。全国大会、世界大会も連続7回参加した。ヨットは部屋もある、大きな舟。帆かけ舟ですよ。いつもヨットのこと、考えている。修道士の小崎さんが、祈り考える、いっしょですよ」
★あれから5年だが、彼は変化があったろうか。私は、未だに語れぬ「大きな転換」があった。海でいえば、自分自身が呑まれる大しけだった。5年間に起きた変化、人生、何が起こるか解らない。「体調に気を付け、ブログを続られますように」とあった。「『トマさんのことば』を送ってください」と書いていなかったが、もちろん彼にも送った。

2017年5月6日土曜日

誕生会。瀧神父さま、86歳。賑やかな出し物あり

月の初めの土曜日、昼食は「誕生会」です。今月は6人が誕生日を迎えます。例の如く、全員が食堂に集まります。ベッド式の車椅子の人も揃います。6人の中に、瀧憲志神父さまも入っています。
★先ず園長神父さまのお話。アヴェマリアの祈り、乾杯の音頭。それから園長神父さまと職員さんが、お花と、小さな灯と、プレゼントを持って、1人、1人の処へ運びます。その間、「ハッピバスデイー」を拍手しながら歌います。瀧神父さまの所へも園長神父さまはお祝いに行きました。86歳になります。
★お祝いの昼食が始まります。ご馳走がありました。食べていると、いよいよ出し物がでます。3人で、「タマゴと、ニワトリ」を踊りました。卵が先か、にわとりが先か、よく聞く、あれです。「昔、昔の、その昔、メガネの先生は言いました。卵が先だ、卵が先だ。次におヒゲの先生は言いました。にわとりが先だ、にわとり、だ」
★にわとりから、タマゴが出てきて、卵が服を脱ぐと、ひよこになった。看護師さんと、介護の職員さんと、炊事場で料理を作る人、3人の愉快な踊りでした。
★終わり頃に、恒例の「のど自慢」の歌があり、歌う人も段々と、声がかすれてきています。しかし歌詞を良く覚えているのは感心です。笑いと、拍手と、祝福の楽しい誕生会でした。
★午後2時30分から、ホームの車で、歯医者さんへ治療に出かけます。

2017年5月5日金曜日

食堂前での会話。神さま「これで、いい、でしょ」

「こどもの日」。ホームで楽しみは食べることです。昼食の30分前になると、食堂の入口のイスに、ボツ、ボツと女性群が集ってくる。私も負けずと中に座ります。園長神父さんが1度人数を数えたことがあった。13人居たかな。これで満席です。
★瀧神父さんが、杖をついて、ニコニコしながら姿を見せる。1人の女性が席を立って、神父さんに譲った。私は、つぶやいた。「先の者は後になり、後の者は先になる」
★食堂では、介護の必要な人の食事が始まっている。食事が済むと、職員さんが1人、1人、車椅子を押して部屋まで送る。これだけ見ても「介護って、タイヘンやなァ」と直球で思う。
★1人の女性が、つぶやいた。「これだけ、お祈り、しよっとに、サ」。神さまは何で苦しみを与えるのだろう。その言葉を、さりげなく聞いて、「ああ、深い所を考えているな」と又、思う。
★「あの人、居らんやったね」「連休だから、家に帰ったとやろ」「家はあっと、ね」「あるさ、子供も孫も居るけん」「孫も居るとね」「居っと、たい」「うちは、誰もおらん」「神さまに叫びなさい。『なして、うちには、家族は居らんとね』」。すると、その女性が、ポツリと言った。「これで、いいでしょ」。まさに明答だと思った。現実を、神のみ旨として、受け入れる。信仰の基本だ。「昼の食事は何だろう?」「おサカナでしょう。今日は金曜日だから」
★介護の人たちの食事が終わって、皆さんのため食堂のガラス扉が開かれた。昼食のメニューは、ごはん、鯖の香味焼き、洋風味噌和え、玉葱の塩麹漬け、すまし汁、ミルクコーヒーゼリー、だった。やっぱり、サカナだった。

2017年5月4日木曜日

新しい風呂で考える。我が人生に、悔いはなし

「入江さん、キリエさん、風呂に入ろう」。昨年の6月から、ホームの改装工事が始まった。畳の部屋は、車椅子でも入れる部屋に改装される。介護職員の詰所、医務室は場所が変わり、機能に便利になった。事務室、園長室も更新された。最後に残っていたのが、介護なしで自分で入浴ができる風呂場でした。今日から入れるようになった。早速、朝の9時から、3人で入りました。背中を流してくれたのは、キリエさんでした。入浴は毎日、午前中は、男性が入れます。7、8人の男性がいる。午後から女性になっている。風呂の湯は機械で巡回し、きれいです。この風呂に、3人だけ入るのは、ありがたいことです。入浴は楽しみでもある。
★風呂からあがって、着衣して、一息入れて、ジーっとしていると、アメリカ・テキサスのKoKo洽子さんから携帯がなった。「アメリカから電話だよ」「エスぺランサさんのために『トマさんのことば』を送ってください。エスぺランサさんが来て、見て、泣きました」「エスペランサさんのために既に書留で送りました」
★「トマさんのことば」の反応。東京の女性から、「3つの写真を選ぶとすると、お母さん、パパさま、ガヨヴィ二チェックさん(コルベ神父から命を助けられた男性との出会い)ですね。本は、トマさんの人生を表わしている」
★「トマさんのことば」。広島の女性から、「どこまで行っても、御本の出版に繋がるのですね。これまでの思い出は詰まる本で、とても、うれしく思っています」
★ホームに入った頃は、自分の歩いた道を振り返って、修道士で良かったのだろうか、と迷い、揺れた時もあったが、この小さな本が総ての迷いを吹き飛ばしてくれた。私にとっても貴重な本となった。

2017年5月3日水曜日

好物は、牛肉の天ぷら、テール・スープ、です

傾聴ボランチアの女性が来た。1ヶ月ぶり、これで3度目である。女性は聴くだけ。私は語るだけ。時々ある言葉の流れを女性が繰り返す。例えば、「人は、老いには、勝てませんね」と言うと、その言葉を私に投げ返す。「語るだけ」によって、話す者の悩み、胸のつかえ、肩の荷が降りるらしい。当方は「語るだけ」と頭にあるから、しゃべりまくったが、気がつけば、何と1時間半、語りっぱなしだった。
★人が生きる基本は、①三食、完食する。②大のトイレがある。③私は腎臓のことがあるから、尿が正常に出ているか。④普通に歩ける。⑤夜、安眠する。これが生活の一本柱で、1日の間、常に考えている。若い時は、そうではなかったよ。特に「歩く」が問題になる。ホームの中で、歩けていた人が車椅子になっていく様子を見ているから実感がある。自分にも、せっぱ、つまった現実です。
★私の好物は、母が料理した「牛肉の天ぷら」なんですよ、と教えた。母が死んでから、何十年と食っていない。7、8年前から、島原半島のオバマ温泉「富士屋」さんに月に1度、2泊3日で療養に行っていたとき、富士屋さんに頼んで、牛肉の天ぷらをいつも出してもらっていた。満足な味でした。ホームに入って、2度ほど富士屋さんへ行って、昼食に牛肉の天ぷらを出してもらったが、なぜか、首をかしげた。老いで食に対する好みの変化があったのか。母が料理する天ぷらは、イモと、牛肉の2品だけだった。カボチャとか、タマネギなど、天ぷらにしなかった。母の商売は、精肉店だからね。
★それに、もう1つ、私の好物と言えば、「テール・スープ」です。ホンモノのテール・スープは予約しないと出て来ない。牛の尻ッポですからね。店には置いていない。
★そんな話しを傾聴ボランチアさんには聞いてもらいました。スッキリしたよ。

2017年5月2日火曜日

事務長さんの家のサクランボ。小鳥が喜び集う憩い

事務長さんの自宅に、サクランボが沢山なっている、と聞いた。車で2分、ホームから直ぐ近くのお家に連れて行ってもらった。見事なサクランボです。小鳥がさえずり、のどかな気分が満ちている。事務長さんは、ホームに勤めて、35年が過ぎたという。歴代の園長神父さんを知っている。なつかしい神父さんの名前ばかりです。
★今年の冬は長かった。サクラも遅く咲いた。寒さは老人には、こたえます。昨日から5月に入った。聖母月です。「ロザリオを、マリアさまに、捧げましょう」と勧められる。聖母月は、何だか楽しい、喜ばしい月です。サクランボにむらがる小鳥のように、「ピー、チク、パー、チク」歌いたい月です。

2017年5月1日月曜日

来たーッ。山梨の男性。バイクで走行。ほほ笑む彼

「トマさんのことば」が欲しいと、山梨の男性からハガキがあった。「自分はゴールデン・ウィーク中に、バイクで九州を旅する。小崎さんのホームへも行く。郵送ではなく、その時に手渡しで下さい。予定は5月1日、10時です」
★24日にハガキが届いたので、余裕があるなァと思って、25日に本を郵送した。「いよいよ来るかなァ」。今日は、1日。午前10時、玄関で待っていた。15分遅れて、バイクの彼が到着した。本は、27日に着いて、28日からバイクの旅を始めた、と言った。
★早速、部屋に通して、出会いを楽しんだ。長崎へは22回目。バイクの旅は12回目。小崎さんに聖コルベ館で会ったのは、①1992年が最初。「洗礼を受けて来なさい」と言われた。②2000年、飛行機で来て会った。③2007年、バイクで来る。この時も「洗礼は、まだ?」と言われた。2010年、洗礼を受ける。霊名はバルトロメオ。日本人の司祭から授けていただいた。
★④2013年、飛行機で長崎へ、聖コルベ館へ来た。この時に、ブログ「登明の日記」に載せた。その日から、毎日、日記は読んでいる。
★「なぜ、そんなに長崎に憧れるのか」。本人は具体的に説明しない。高校生の時からバイクに乗り始めて、キリスト教やキリシタンに心を引かれた。上五島、福江島にも渡った。今日、⑤「小崎さんに会うのは5回目です。別府から、阿蘇、熊本、天草、島原と走ってきた」。彼は、「長崎オラショの旅」や「十七歳の夏」などを私に見せた。もちろん、[トマさんのことば」の小さな本も持ってきた。
★5回目の記念写真は、修道服の姿で、彼と、バイクを入れて、玄関のツツジの前で撮った。湯江教会に案内して、旅の無事を祈って、満たされた心で別れた。